お好み焼きは意外にも栄養抜群のバランス食

お好み焼きは、材料や焼き方に、地域によりかなりの違いがある。

中でも広島焼きは、せん切りキャベツ、モヤシ、干しエビ、イカ、豚肉などを入れた上に、中華ソパやうどんを加えるため、かなりボリュームがある。

お好み焼きの基本的な材料は、肉あるいは魚介類にたくさんの量のキャベツ、卵、小麦粉などであるが、実は、栄養的に大変バランスがとれた料理なのである。

 

まず、タンパク質が豊富である。

肉や魚介類に卵が加わると、タンパク質が増加するだけでなく、卵の良質なタンパク質が他のタンパク質の価値を、より高めるというメリットがある。

タンパク質は、体力を増し、免疫力を高める、健康には必要欠くことのできない栄養成分である。

しかも、タンパク質は体内でつくれないので、食物からとる以外、補給することができない宿命をもっている。

したがって、不足しないように、より効率的にとることを心がけるのは、健康にとって非常に大切なことである。

 

また、今、若い人の野菜離れが問題になっているが、その点でもお好み焼きは理に適った料理といえよう。

ビタミン類やミネラルだけでなく、さらに、食物繊維の大きな供給源にもなる。

というのは、お好み焼きにはキャペツがふんだんに入るし、それに、ソースの上にかけるかつお節や青海苔の栄養も無視できない。

青海苔は鉄分が豊富で、食物繊維もある。

たっぷり使用すれば、よい栄養補給になるからである。

また、かつお節もカルシウムが豊富である。

日本の食事では不足しがちなカルシウムが補える。

 

さらに、お好み焼きのよい点は、目の前でつくった焼きたての熱々を食べられるという点である。

食べ物はできたてほどおいしい。

料理が仕上がり皿に盛られる間にも、風味はどんどん消え失せる。

それだけに、できるだけ熱々の料理を口に入れることがおいしく食べられるポイントだ。

 

なお、お好み焼きは、江戸時代、女性たちの遊びの料理であったといわれている。

それが明治になり、一銭洋食として子どもに人気が出たのだが、やがて、安くて栄養があり、お腹も膨れるというので、大阪を中心に普及したようである。

とくに第二次大戦後、卵などがかなり安く手に入るようになって急速に広まった。

栄養面だけでなく、家族や仲間の団欒にも役立ち、いろいろの点で素晴らしいお好み焼きを、日常もっと取り入れたいものである。