レバニラ妙めがやっぱりスタミナがつく理由

代表的なスタミナ料理として、レバニラ妙めを思い浮かべる人は多いだろう。

実際、ニラ、レバーともビタミンの宝庫である。

とくに、ニラのもつネギ類特有の臭みの強い成分とレバーに多いビタミンB1が結合し、非常に吸収されやすい形の物質が形成される。

これが疲れをとり、スタミナをつけるのである。

 

また、両方に共通して多いのはビタミンAで、ニラの方はベータ・カロチンの形で、レバーの方はレチノールと呼ばれるビタミンAの形で多量に含まれている。

ビタミンAは、非常に大事なビタミンで、とくに粘膜を保護し、また、体内で過剰にできるとガンなどの原因となる活性酸素に対し、それを抑え込む力をもっている。

だから、ビタミンAは、常に十分とっておく方がよいわけだ。

とくに、冬の寒い時期や夏の栄養状態が悪くなるときなどはビタミンAが不足しがちになり、その結果、粘膜保護力が低下し、風邪をひくと治りにくいため、積極的にとるよう努力したいところだ。

 

ビタミンAは目に対しても大きな力を持っている。

突然暗い部屋に入ったとき、目が慣れて周辺の状況が見えるようになるまでにいくらか時間がかかるが、この時間はビタミンAが体内に十分あるかどうかで、大きく左右される。

ビタミンAが不足していると、暗闇で、目がなかなか慣れない。

これを暗調応が悪いという。

とくに自動車を運転するような場合、ビタミンAの不足は目の疲れを早くするとともに、トンネルなどに入ったときに目が慣れにくいとか、あるいは夕暮れどきに十分に見通しがきかなくなるとかの恐れがある。

だから、ドライバーはレバニラ妙めなどをときどき食べてビタミンAの補給を怠らないようにすべきだろう。

 

都合のよいことに、ビタミンAは、肝臓で貯蔵できる。

したがって、週に一回食べる程度でも十分に体内で保持できる。

この点は、体内保持ができないので毎日補給しなければならないビタミンB1やCと大きく違うところである。

 

肝蔵にビタミンAが貯蔵されることからも分かるように、レバーの中にはビタミンAが豊富である。

また、レバーは鉄分を多く含んでいる。

しかも、この鉄分は、血液の大切な成分である血色素、つまり、へモグロビンになりやすい性質のへム鉄が多い。

ホウレンソウなど植物性の食品の鉄は、レバーの鉄分とは違い、へモグロビンになるのに十分ではなく、ヘモグロビンになるには、食べ方にいくらかの条件が必要である。

その点で、レバーのような鉄分の多い動物性の食品をとることは、スタミナをつけるだけではなく、貧血を防止し健康を保持する上で非常に大切である。