足の筋肉を鍛えると、ストレスに強くなる!
最も鍛えるべき部分はどこか。
それは、下半身の筋力だ。
漢方医学の世界では、糖尿病は上半身に比べ、下半身の細い人がなりやすいという。
運動不足などで下半身の筋肉が衰えると、下半身をしっかりと動かすことができなくなり、その結果、体内の糖質が燃焼しにくくなってしまうのだ。
人の体の筋肉のうち、じつに70%が腰から下の下半身に集中している。
だから、下半身の筋肉を動かし、鍛えることは、全身の血行を高め、代謝を促進させ、肥満の解消や精神の不調までも正してくれる。
筋肉を鍛えると気力も湧いてくる。
これは、筋肉を鍛える過程で脳内からβ-エンドルフィンと呼ばれるホルモンが分泌されるからだ。
ストレス解消に抜群の効果があるためだ。
社内で嫌なことがあったり、ストレスが溜まっても、酒に頼るより、足の筋肉を鍛えたほうがスッキリする。
出勤途中に階段ののほりおりをしたり、帰宅時にひと駅前で降りて歩いたりするだけでも効果的だ。
下半身がやせた状態とは、わかりやすく言うと、お尻が垂れ、太モモが細くなって、筋肉に張り(弾力)がなくなる状態のことだ。
したがって、まずは、お尻(腰回り)と太ももに筋肉がしっかり発達するような運動を心がけるといい。
私の体験上、いちばんやりやすいのがウォーキングだ。
カーフレイズを組み合わせて、通勤電車を待つホームや信号待ちの交差点などで行なうといい。
これだと、通勤や昼休みの時間に必ず実践できる。
問題は、雨の日などの天候に左右されやすいことだが、そんなときも室内で行なえる運動を決めておく。
たとえば、スクワットだ。
5~10回を1セットとして繰り返し行ない、最初は5セットを目標にする。
慣れたら1セットの回数を増やしたり、両手にダンベルを持ち、少しずつ、負荷を加えるといい。
より運動の効果が上がるからである。
このスクワットと交互に行なうといいのが、カーフレイズだ。
こちらも5~10回を1セットとし、5セット行ない、次第にスピードアップして負荷を加えていく。
また、家のなかでの踏み台昇降運動も、太ももの強化に役立つ。
集中して執筆した後は、ドローインという呼吸法で体を整え、入浴で体を温める。
それと並行して、掃除など家事の手伝いを進んで行なうのもいい。
ドローインのやり方は、まず、両肩の肩甲骨を中央に寄せ、胸を張る。
そのままの状態で息を吐いて腹を凹まし、10秒間キープする。
体の内部から筋肉に負荷をかけるため、背骨の周りの腹斜筋や腹横筋を鍛えることができる。
これらを、とくに運動と意識せずに毎日、楽しく続けられるようになったら、運動の習慣化は成功したと言ってもいい。
それができると、まず姿勢がよくなる。
姿勢のよさは、じつは下半身の筋肉量と直結していることをご存じだろうか。
すでに述べたように、下半身が極端に細かったり、逆に脂肪が集中していると、自然に猫背になって姿勢が悪くなってくる。
とくに、下半身の筋肉量が落ちると上半身とのバランスが崩れてしまう。
こうなると運動もしにくくなり、やせるどころか、逆に太りやすくなってしまうのだ。
そして運動不足と加齢に伴う筋肉減、何よりもデブであるという「負い目」が、太った人の心を直撃する。
じつは、元気のない太ったオジさんが女性にはいちばんモテない。
その結果、どうせ俺なんかと開き直って体の健康を損ねてしまうのだ。
よい姿勢は、横から見て、耳たぶ、肩峰、胸部の中央、骨盤の側面、ひざ、くるぶしが一直線に揃い、かつ背骨が緩やかなS字カーブを描く。
姿勢を正しくすると、自然と「生きる姿勢」も変化してくる。