人間嫌いになってもだいじょうぶ
気分が落ち込んでくると、人に会うのがいやになる。
特に、初対面の人は、相手のペースもわからず、つきあうのにかなりエネルギーを必要とする。
自分のエネルギーが低下しているときには、おっくうに感じるのも当たり前だ。
また、上司の顔を見るのがいやになってきたり、夜のつきあいがわずらわしくなったり。
それまでは同僚と帰りに一杯やるのが当たり前だったのが、急にめんどうになってくる。
そんな人の話を聞いていると、普段は人並以上に人づきあいのいい場合が多い。
人づきあいがよく、人にも好かれるのだが、それだけに、こまかく気を配っている。
しかし、不調のときにはそれができない。
それで、人に会うのがめんどうになってくる。
また、周囲の人に頼られている場合も多い。
何かあると、みんながその人にアドバイスを求める。
そんな人が不調におちいったときは、たいへんである。
「こんなことになったのも、オレがいけなかったんじゃないか」などと内省しすぎる。
反省がなさすぎるのも困りものだが、反省しすぎる人も困る。
反省しすぎると暗くなって、人とつきあう意欲がわかなくなってしまうのである。
それに、人に会って説教されるのがこわい。
自分でも、「オレがいけなかったのか」と思ってるところへもってきて、さらに他人に厳しいことをいわれたのではたまらない。
そこで、怒られそうな人にはとりわけ会いたくなくなり、自閉症的になっていく。
さて、もしもあなたにこんな「人間嫌い」の徴候があるなら、思いきって人間嫌いを突き進めていくのもいいと思う。
無理してみんなとつきあう必要はない。
大人ぶって、誰とも仲よくしなくてもいい。
上司や後輩とうまくやれなくてもいい。
人間関係なんか、そんなにうまくてやれなくて当たり前だ。
しかし、誰かひとりくらい、あなたの話をわかってくれそうな人がいないだろうか。
あなたが好きな人はいないだろうか。
ひとりでも、ふたりでも、本当に好きな人とだけつきあえばよいではないか。
あとは適当にしておけばよい。
人間関係を上手にやろうと努力することなど、やめてしまおう。
きっと気持ちが楽になるはずである。