仕事ができる人は「遊び心」を持っている

日本人はだいたい遊び下手である。

その原因は、仕事と遊びを分けて考える一元論的な考え方にあるようだ。

真面目に仕事をすることは美徳であり、つらくても我慢しなければならない。

逆に遊びは楽しいが勤勉や真面目さを損なうものとして敵視するといった価値観があり仕事と遊びに線引きをする。

この考え方は、高度経済成長といわれた大量生産時代に多くの人を同じ方向に向かせて生産性をあげるのに有効だった。

しかし、これからの時代には通用しない。

同じものを大量に生産しても、在庫を抱えるだけである。

価値観が多様化する現代は、人材にも商品にもサービスにも、個性や創造力が求められている。

与えられた指示どおりにただ黙々と真面目に業務をこなすだけの人は、完全に取り残されてしまうだろう。

 

では、個性や創造力はどのようにして生まれるのだろうか。

それは「遊び心」である。

仕事とも遊びとも区別がつかないような発想力を持つ人間というと、アップル社のスティーブ・ジョプズ氏などが成功者としてわかりやすい例だろうか。

仕事に遊び感覚を持ち込まないと、いい仕事はできないという。

「遊び心」がないと、仕事はただしんどいだけの苦役になってしまう。

そこからは、新しいものを生み出そうとする活力は生まれてこない。

仕事のできる人は、仕事と遊びを区別せずバランスよく一体化することで、仕事を遊びのように楽しむことができるのだ。

 

遊びに罪悪感を持つのは、余裕のない証拠である。

遊びによって真面目さが損なわれることはない。

逆に、遊びによって真面目さが活性化されるのである。

人間は遊びに熱中しているときには、何時間でも疲れを知らずに過ごすことができる。

夢中になって仕事をすると疲れないのは、その仕事のなかに楽しさを見出す「遊び心」があるからだ。

つまり、遊びが仕事を活性化している。

そして仕事が充実してこそ「遊び心」も生まれるのである。

 

「イソップ物語」の「アリとキリギリス」をアレンジした物語がある。

「夏の間、アリは汗水たらして黙々と働く一方、キリギリスは陽気に歌って過ごした。冬になると、アリは働きすぎがたたって体を壊してしまう。一方、キリギリスは歌が世界的な大ヒットとなり、印税で優雅な生活を送った」というものだ。

まさに現代を皮肉った感があるが、この話に「けしからん」とめくじらをたてるのではなく、笑ってすませるくらいの「遊び心」を持ってほしいものである。