初対面では「感じよく」見せるのがコツ
初対面の相手には、いい印象を持ってもらうに越したことはない。
だが、それにあまりこだわることもない。
「いい印象を残そう」と意識しすぎると、最初から相手との距離感を間違える。
「人からよく思われたいなら、自分のいいところを並べ立てないことだ」初めて会う人に自分の長所を並べ立てたら、それこそイヤ味である。
相手も辟易(へきえき・・・嫌気がさすこと)する。
初対面の段階では、あまり距離を近くしないほうがいい。
最初から接近しないことだ。
自分のアウトラインがわかる程度でいい。
何度か会ううちに、自分の性格をいろいろアピールしていく機会もあるのだから、最初は「何となくいい感じの人だな」くらいの印象が残せたら御の字だ。
そのためには、特別に難しいことなどいらない。
・きちんと挨拶する
・清潔な服装を心がける
・相手の目を見て話す
「マナー教室」で教えられるような基本中の基本を押さえていれば、それでいい。
それに、いくら最初の印象がよくても、あとからそれがひっくり返ったら、かえって損をすることもある。
中途入社してきた女性社員を紹介された。
礼儀正しくて、身なりも言葉遣いもきちんとしている。
さらに彼女は、会った翌日、きれいな字で書かれたお礼の葉書を送ってきた。
こういうことができる人は、なかなかいない。
かなりいい印象が残った。
ところが、いざ仕事をしてみると評価は変わった。
こちらの提案に「大変に面白いと思います。大至急検討いたします」と言葉だけは前向きなのだが、実際の返事はいつまでたっても返ってこない。
言動が伴わないのだ
それを何度も繰り返しているうちに、「もしかして、彼女は自分の能力に自信がないから、第一印象をことさらよくしたかったのか」と感じるようになった。
この例と逆のパターンもある。
上司の使いでやってきた若い男性社員が、やたらと虚勢を張っているように見えた。
こちらが聞いてもいないことを、知ったかぶりしていろいろ話しかけてくる。
あまり印象はよくなかった。
しかし、何度か顔を合わせるうちに見直すようになった。
彼は、一度話したことはしっかり覚えていて、次の打ち合わせには「こういうデータがありました」などと必ず必要な資料を持ってくる。
意外とマメで実直なのだ。
どうやら、最初は緊張して自ら突っ張った態度をとってしまったらしい。
最近は何でもマニュアル化する傾向にあり、「第一印象でほとんど決まる」と教える人もいる。
だが第一印象が悪ければ、すべてがよくないというわけでもない。
とにかく初対面のときは、肩の力を抜いてリラックスすること。
近づきすぎなければ、ボロは見えないから心配はいらない。
最初から力を入れすぎないこと。
これに尽きるのではないか。