「ありがとう」をちゃんと口にし合おう
しかし、40代夫婦は多忙なので、ゆっくり話をしたり聞いたりする時間がとりにくいだろう。
そんなときは、「ありがとう」や「お疲れさま」という感謝やいたわりの言葉を日常のなかで意識して使うのがいい。
たとえば妻がコーヒーを滝れてくれたとしよう。
それを当たり前のように黙って飲むのではなく、「ありがとう。いただきます」と言ったり、Yシャツに袖を通す際に「アイロンかけてくれて、ありがとう」とひと言添えるのだ。
主婦の仕事というのは、外注するには高い費用がかかる専門的な労働でありながら、収入をともなわないので評価されづらい。
そのため常に「もっと認めてほしい」と思う女性が多いのだ。
しかし、日ごろから「助かるよ」「いつもありがとう」という感謝の言葉があればたくさんの会話がなかったとしても、自分は認められているという気持ちを持つことができる。
そして夫に対しては、感謝の気持ちはもちろんのこと、「大変だったわね」「疲れたでしょ」「ゆっくり休んで」といった労いの言葉が大変効果的だ。
前にも話したように、男性は妻から認められたいし、尊敬されたいと思っている。
その気持ちを労いの言葉が大いに満たしてくれるわけだ。
「夫が私の話を聞いてくれない」「妻は私を否定する」と、互いを責め立てるばかりでは夫婦の関係はどんどん硬く冷たいものになってしまう。
相手の心を変えたいのなら、まず自分から変わらなくてはいけないのだ。
もっと夫婦間のコミュニケーションをとりたいと考える人は、まず手始めに、感謝と労いの言葉を生活のなかに意識的に取り入れてみよう。
最初は照れくさいかもしれないが、すぐに慣れるはずだ。
また、夫婦がこうしたぬくもりのある会話を心がけていると、それを耳にする子どもの心は安定し、思いやりにあふれた人間に育っていく。
つまり、「ありがとう」「疲れさま」が自然に口に出る家では、夫婦だけでなく、子どもの心も素直に発達するのである。