疲れ目はなるべく動かした方がいいよと皆は言うけど、それよりも早く布団に入ってさっさと目を瞑った方が目が休まる、という人もいるだろう。

確かに疲れ目を動かしたらさらに疲れるのではなか?

 

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疲れ目における症状について眼科の専門医が言うには

『目は一皮剥くと血管まみれの組織です。

そして目の機能そのものも血の巡りが大きく影響していて、血流が悪くなると、とたんに機能が低下してしまう。

パソコンやスマホ中心の生活は目の血流悪化の大きな原因です。

そんな疲れている目ほど、ビジョントレーニングなどで動かして血流を改善しないといけないし、ホットタオルなどで温めるのも効果的。

皆さんがよくやっている肩や腰のケアと考え方は同じなんです』

 

ビジョントレーニングなどで目を動かすことの目的は他にもある。

それは目の周りの筋肉も一緒にほぐすことだ。

 

『眼球は内直筋や外直筋など合計6種類の筋肉に支えられており、これらは総称して外輪筋と呼ばれています。

長時間同じ姿勢でスマホなどの液晶画面を見続けていると眼球が硬直しますが、そのとき同時にこの外輪筋も筋疲労を起こしてしまう。

だからある程度動かして、外輪筋も伸ばしてあげる必要があるのです』

 

眼球にはピント合わせに筋肉が働いている

また、眼球そのものにも立派な筋肉が存在する。

それが毛様体筋で、平常時は遠くを見るときにここが緩み、近くを見るときは縮むことで対象物にピントを合わせている。

つまり目のピント合わせは 筋肉が伸び縮みを正しく繰り返すことで成り立っているのだ。

しかしパソコンやスマホなど、ごく近くを見る作業が長時間続くと、この毛様体筋がギュッと縮んで緊張状態を強いられてしまう。

凝りが生じた毛様体筋は硬直し、遠くを見ようとしてもなかなかピントを合わせられなくなるのである。

他の大きな部位の筋肉と同じく、目の筋肉だって意識的に動かしてあげないと柔軟性が失われ、本来の機能を発揮できないのである。

ただし、日常の酷使から眼球やそれを支える筋肉が硬直した状態で、いきなり目が痛くなるほど激しく眼球を動かすことは避けたい。

場合によっては硝子体剥離や網膜剝離といった眼病につながるケースも考えられる。

ビジョントレーニングや眼球運動は,まずはストレッチ程度に捉えて無理のない範囲で行うこと。

また、医師や専門家などに指導を受けて行うことをオススメします。

 

目が疲れたら効く目薬は何がいい?

目が疲れたらとりあえず目薬をさす。

最近は1000円以上の高価な目薬をドラックストアでも見かけますが、高い目薬ほど、きっと目にいい成分が入っているんでしょう?とすぐに飛びつくのは考えものです。

眼科専門医が言うには、

『たとえば眼精疲労向けの商品の中にはネオスチグミンメチル硫酸塩という成分を含むものがありますが、一時的にピント合わせがあわせやすくなる一方で、血管と瞳孔を収縮してしまう作用を持っています。

すると細かいものが見えづらくなったり、視界が暗くなる恐れがある。

他にも、清涼感をもたらすべくメントールを配合しているタイプも要注意。

スーっとするのはいいのですが、角膜を傷つけるリスクがないとは言えないんです』

目にとって一番いいのは、涙液に近い成分を足してあげることです。

なので目薬選びの際は、価格や素人ではよくわからない成分に惑わされることなく、塩化カリウムや塩化ナトリウムなど、できるだけシンプルな成分のものをチョイスしましょう。