お疲れモードのニッポン国民、具体的には一体どんな疲労回復法を実践しているのか?

 

温泉、マッサージ、入浴、栄養ドリンク、体操、食事

 

現在または過去1年間に疲れやだるさを自覚している人の94 %が何らかの疲労回復法を実践していたという。

それぞれの方法をどれくらいの人が行い、その方法がどの程度疲れの回復につながったと感じているのか。

最も多くの人が実践しているのは入浴で、疲労回復の度合いは中間程度。

食品系の疲労回復法は上位にランクインしているが、疲労回復効果はあまり実感されていない。

 

最も疲労回復効果があると回答された方法は、笑い、続いてアニマルセラピー、温泉、マッサージなど。

むろん、これらの効果は疲れが取れたような気がするという主観的なものなので、本当の意味での疲労回復につながっているかは、また別の話。

なかには、まだ科学的に証明されていないものもあれば、かえって疲れを増す可能性のある方法もある。

 

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疲れたときは焼き肉などのスタミナ食を食べる

疲れてカラダに力が入らない。

そんなときは焼き肉だウナギだステーキだ!

栄養たっぷりのスタミナ料理でパワーを回復。

これが何より手っ取り早い。

むろん、エネルギーの不足がカラダの疲労を招くことは事実。

でもそれは戦後の高度成長期の話。

成人男子の3人に1人は肥満というこのご時世、エネルギーは足りないどころかいささか過剰気味。

いわゆるスタミナ食は、脂質が多い食材が使われていることが特徴。

脂肪分解には時間がかかるので胃腸への負担が大きくなる。

つまりスタミナ食はかえって内臓の疲れを引き起こすというわけなのだ。

疲れを取るどころか、そのひと口が逆効果に。

 

ストレスが溜まったときは、飲んで発散する

反りの合わない上司からねちねちお小言。

使えないのに文句だけは一人前の部下にブチ切れ。

そんな日は、気のおけない同僚とパーッと飲みに行くに限る。

週末ならば泥酔したって構うもんか。

そのアルコールをせっせと分解してくれるのは、ご存じの通り肝臓。

急ピッチでがぶがぶ飲めば、アルコール分解時に発生する毒性の高い物質、アセトアルデヒドがどんどん増えて肝臓の細胞の機能を低下させる。

肝臓はエネルギーである糖を新しく作り出す糖新生を行う重要な臓器のひとつ。

機能が落ちれば当然カラは疲労する。

アルコールをがぶ飲みしてストレス解消するという人は、くれぐれもご用心 。

 

イライラしたとき、カルシウムを積極的にく摂るようにしている

イライラしたときはカルシウム補給。

と俗にいわれている。

カルシウムが神経伝達に関わっているということから、そんな説が根強く信じられてきた。

だがこれ、そもそもあまり信憑性のない話。

骨にはカルシウムが出たり入ったりしていて、体内のカルシウム濃度を常に一定に保っている。

カルシウムが不足しそうになると速やかに骨から溶け出て補充されるのだ。

よってイライラ解消のためにカルシウムを補給するというのはナンセンス。

それどころか中高年がサプリメントな どでカルシウムを摂りすぎると、動脈硬化や心筋梗塞を招く可能性もある。

ご注意のほど。

 

仕事のストレスは仕事の達成感で解消する主義だ

まわりから期待されるとついつい張り切ってしまうタイプ。

無理めなオファーも残業もなんのその。

一度任された仕事は何があってもやり遂げます。

それがデキる大人ってもの。

頑張った先には達成感という大きなご褒美が待っているはず。

こんなふうに責任感が強く達成感を求める人ほど、自らの疲れを意識しにくい。

 

脳に達成感というご褒美の快楽がインプットされていて、それをもう一度味わうためにカラダが発する疲労のサインをスルーしてしまうのだ。

仕事一筋の人間が過労死に至ってしまう原因がここにある。

疲労に無自覚なこんなタイプほど、真の疲労回復法が即必 要ってことなんです。