ビールは痛風の大敵つて本当?

痛風が増えている。

痛風患者は働き盛りの人に案外多いようだ。

痛風は、足の親指のつけ根が猛烈に痛むものだが、痛みがなくても、尿酸値の高い状態が続くと、やがて、腎臓などの臓器に悪い影響が出てくる。

痛風は、血液の中の尿酸と呼ばれる物質の量が多くなりすぎ、足の親指の関節などにその結晶が沈着するために起こる。

 

では、尿酸の原料は何かというと、核酸の中でプリン型と呼ばれる物質である。

これは、すべての食品にいくらか含まれているが、中には、その含有量が高いものもある。

それはレバーやイワシをはじめとする魚類である。

野菜ではモヤシ、アスパラガス、ホウレンソウ、キノコなどに多く含まれる。

 

だいたい、昔から、うま味の強いものや芽の部分に核酸が多いから避けるようにといわれてきた。

ところが、食事で核酸の多いものを制限すると、食べるものがなくなってしまう。

そこで最近は、痛風の治療は、薬で尿酸をコントロールし、食べ物はできるだけ通常のものをとるようになってきている。

病気治療には食生活のコントロールも大事であるが、食事は人生の最後の楽しみといわれるほど、本能的なものである。

これをむやみに制限することは、人生の楽しさを半減してしまうことになるといえよう。

楽しみながら、いかに健康のための食生活を実践するかが大切だろう。

もちろん、レバーも魚も食べてよいとはいえ、多量に食べることは、いくら薬を飲んでいても避けるべきだろうが。

 

ところで、痛風の人が、宴会などで酒を飲んだ後、関節に発作を起こして痛みに苦しむことがある。

これは、飲んだ酒の種類による。

飲んだ結果がもっともよくないのは、ビールである。

その理由は、ビールの製法にある。

ビールは、麦芽からつくられる。

麦芽というのは、ビール用の大麦を発芽させたものである。

これを乾燥し、砕いて水を加え、温度をかけて、麦芽の中にあるデンプン糖化酵素を利用して糖液をつくる。

 

これを濃過して発酵させたものがビールである。

つまり、麦芽はモヤシと同じように、植物の芽であり、芽には多量の核酸が含まれている。

ビールの中にはこの核酸がそのまま入っている上、ビールは多量に飲みがちになるから、その核酸摂取量はレバーを多量に食べたのと同じくらいになってしまうのである。

当然だが、痛風にとってよくない結果になるはずだ。