睡眠環境を改善するだけでも、安眠が得られる

「毎日、8時間は寝ている。にもかかわらず、朝、起きると身体がだるく感じる。肩がこる」と言う人も少なくありません。

そういう人は睡眠環境を見直してみるのも方法です。

 

たとえば、あなたはどんな寝具を使っていますか。

マットは柔らかいですか。

それとも硬いですか。

実は、安眠のためにはどちらもよくないといわれています。

人間は寝るとき、上を向いて寝るほうが、身体に余分な力が入らず、呼吸もしやすいので一番リラックスできるとされます。

しかし、それでも身体の同じ部位が圧迫され血液の循環が停滞するので、それを和らげようと体位を変えようとします。

これがいわゆる「寝がえり」です。

 

この寝がえりは少なすぎても多すぎてもダメ。

常範囲は一晩に20回ほどといわれています。

柔らかいマットを使用すると、寝がえりをする一回の消費エネルギーが増すと同時に、身体が不自然な形(くの字)になるため、寝がえりの数が極端に少なくなり、疲れや肩こりや腰痛の原因にもなります。

逆に硬いマットを使用すると、接している身体の部位に圧力がかかり不快感を感じ対るため、寝がえりの数が多くなり、その結果これもまた疲れやだるさを誘発させることになります。

 

おすすめは、寝ているときに背骨を横から見てキレイなS字が描けるマット。

また、人間は寝ているときに発汗するので、綿などの吸湿性のいい素材のマットを敷くのもいいでしょう。

一般的には薄くてやや硬めのものがいいとされていますので、自分の体型の凹凸を考えながら選ぶようにするといいと思います。

 

では、掛け布団はどうでしょう。これも重いモノは控えたほうがいいでしょう。

掛け布団が重いと寝がえりがままならなくなり、身体の同じ部位が圧迫され、血液の循環が停滞。

それによって、これもまた肩こりや腰痛を引き起こす可能性があるからです。

 

枕にも注意をはらう必要があります。

高すぎる枕を使うと頸椎(けいつい)を圧迫するため、肩こりや首の痛みなどが起きやすくなり、低すぎる枕を使うと頭に血が昇ります。

今は枕専門店もありますので、自分にとってちょうどいい高さのものを選ぶようにしましょう。

目安は、仰向けになって大の字になったときに気持ちがいい寝具が理想です。

抱き枕を使うことでリラックスできる人も多いので、試してみてもいいでしょう。

 

そして、もう一つ忘れてはならないのは、光、照明にも工夫をこらす必要があることです。

人間の身体と部屋の照明から受ける灯りの明るさは密接な関係にあり、夜になるにつれて暗めの照明で過ごすようにすると、副交感神経の働きが促進され、だんだんと眠りに適した状態に整っていくようになっています。

そのためには、寝室の照明器具の種類を変えてみるのも一つの方法です。

仕事や勉強に適した白い光の蛍光灯から、休息に適した夕焼けのような電球色のモノにする。

間接照明のように部分的に明るさのとれるモノに変える。

あるいは光の量が調節できる調光タイプの照明にする。

これだけでも、副交感神経が優位に働くようになります。

ともかく、夕方以降はなるべく強い光にさらされる時間を減らし、照明をおとしていくことがポイントです。

そうすれば眠りの準備が整い、眠気が自然に起きてくるでしょう。

また、眠っている間も光の刺激があると脳を疲れさせる原因になるので、寝る前には部屋の照明を暗くして寝るようにしてください。