「わたしは嫌われている」という思いは、妄想にすぎない。
人間の想像力が勝手に作り上げる「不安」という妄想の中で、もっとも一般的なのは「わたしは嫌われている」というものではないでしょうか。
「わたしは、職場の上司から嫌われている」
「恋人は、わたしと別れたがっている」
「友人は、みな、わたしを仲間外れにしたいと思っている」
「職場の同僚たちは、わたしを迷惑な存在だと思っている」
「親友だと思っていた相手が、わたしを裏切ろうとしている」
ここに挙げたような思いの、おそらくは八割から九割が、その人が勝手に作り上げた妄想ではないでしょうか。
実際には、上司も、恋人も、友人も、そのように考えていないかもしれないのです。
上司は信頼してくれているはずです。
恋人は大切に思ってくれているでしょう。
友人は、以前と変わらず、温かい友情を持ってくれています。
にもかかわらず、自分で勝手に「嫌われている」と思い込んでしまうことがあるのです。
では、なぜ、そのような妄想にとらわれてしまうのでしょうか。
その原因は、主に次のようなことだと思われます。
多忙な生活から、心身が疲れ切っている。
大きなプレッシャーが負担になっている。
仕事や人間関係のストレスが、うまく解消されていない。
このようなマイナスの状況におちいると、人は「わたしは嫌われている」という妄想にとらわれやすくなってしまうようです。
がんばりすぎない生活を心がけ、ほどよい休息を取り、心身共に健康な状態でいられれば、不安が取り払われ、動じない心を取り戻せるはずです。