そろそろ、「他人と比べる」生き方をやめる

人生は、自分の手でしか開けない

「同期入社なのに、あいつのほうが先に課長になった・・・」

いつの時代も、どこの企業でも、そんな恨みつらみはよく聞きます。

20代から30代前半までは、同世代の生活格差はそれほど大きくはありません。

同じ企業の同期の場合、たいていは役職につきはじめる30代後半くらいから徐々に給料の差が大きくなっていきます。

 

役職についた同期は住む場所もいいところで、家族旅行ではいつも海外に行っているといった話を聞くと、つい自分の境遇と比べてしまうかもしれません。

しかし、一度人と比べはじめるとキリがないでしょう。

たとえば、クラス会に出席して、いい会社に勤めている同級生をうらやんだり、子どもを私立の小学校に通わせている同級生を妬んだりします。

人は他人と比べることで、自分の幸せを確認したり、自分は不幸だと思い込んだりする生き物なのでしょう。

でも、それはナンセンスな話ではないでしょうか。

上を見ても、下を見てもキリがありません。

自分なりの幸せの基準を持つのが大切なのです。

なぜなら、いい暮らしをすることと、充実した人生を送ることはイコールではないからです。

 

40代になると、同級生との収入の差がはっきり生まれてきます。

しかし、それは「能力の差」だけではなく、上司との相性で出世できなかったり、会社の業績で出世できなかったりするためなのです。

自分の努力が足りないという単純な問題ではないのです。

他人と比べる人生は、自分を追い込むだけです。

そんな感情に支配されているくらいなら、自分にしかできない生き方を目指すほうが、よほど建設的ではないでしょうか。

 

「答え」は結局、自分のなかにある

家電蒐集(しゅうしゅう)家の松崎順一氏は、大手店舗ディスプレイ会社で、会社員として20年以上デザインの仕事に携わっていました。

顧客もつき、昇進の話もありました。

しかし、管理職への昇進に違和感を覚え、42歳で退職し、独立しました。

おそらく他人と比べる人生ではなく、本当に自分のやりたい道を極めたいと考えたからではないでしょうか。

安定した地位や収入を捨てて独立することに、家族からは猛反対されたといいます。

それでも押し切るように独立して、結果的にはその道が正解でした。

いまは中古国産家電の修理や販売、展示のほか、テレビ、雑誌など各種メディア向けに家電のコーディネートを手がけています。

廃棄された家電の発掘作業を通して、日本のみならず世界の古い家電を収集し、現代へ蘇らせているのです。

松崎さんは子どものころから家電の分解や改造が趣味だったそうです。

つまり、趣味を仕事にできた恵まれたケースだといえます。

 

もし松崎さんが人をうらやむ性格だったら、このような人生の選択はできなかったでしょう。

安定した生活を望む人が多いなか、あえて安定した生活を捨てて、自分の道を切り開いたのです。

もちろんこのご時世、危険を冒してまで転職や起業をする必要はありません。

ただ、 「世間で決められた生き方」をなぞっている限り、自分らしい生き方をすることはできないと思います。

あらゆることにおいて、答えは結局自分のなかにあるのだと思います。

人をうらやむことを決めたのも自分、満足できない人生だと決めたのも自分です。

自分の生き方は自分にしか決められません。

自分にしかできない生き方を見つけられれば、他人からどう思われようと、堂々と胸を張って生きられるのではないでしょうか。

私はそう考えます。