「話すより聞く」と頭に入れておく

子育てでもっとも重要なのは、「教えること」と考える大人は多い。

たしかに、親は多くのことを子どもに教える義務があるし、伝えたいこともいっぱいあるだろう。

しかし、常に伝えるばかりでは子どもの考える力が育たなくなってしまう。

 

たとえば、子どもが悩みや心配事を打ち明けた際に、「ああ、わかったわかった。それはね、こうすればいいんだよ」と即座にアドバイスをしたら、「なんだよ、最後まで聞きもしないで・・・。すぐ説教するんだから」と子どもは思うだろう。

しかし、根気よく話に耳を傾けて、「へぇ、そうだったの」「そうか、○○ができなかったのが悔しかったんだね」というように、全部をそのまま受け止めてやれば、子どもの心に安心感と信頼が生まれる。

そのうえで、「私だったら、○Oしてみるかな?」といったアドバイスをすればいいのだ。

 

親は往々にして目の前の問題をすぐに解決に導こうとする。

それが子どもの求めているものであり、大人の務めだと考えるからだ。

しかし、子どもだって何も考えていないわけではない。

親から言われたアドバイスなど、とっくの昔に考えているのだ。

しかし、頭でわかっていても行動に移せないから悩んでいるので、したり顔で「こうすべき」「○○しなさい」と言われたら、「やっぱり親(大人)はわかってくれない」となってしまうだろう。

子どもの手にはおえないほど大きな問題でなければ、親は問題を解決しょうと思う必要はない。

子どもの気持ちをそのまま受け止め、「私は何があっても、あなたの味方だよ」という気持ちさえ伝えればいいのだ。

アドバイスは積極的に語るものではなく、求められたときだけでいい。

それも、必要最小限にとどめておくのが、結果的に子どもの自立を手助けするのである。