健康自慢の人ほど自分の老いを自覚できない。

自分の「老い」を自覚しながら暮らしている人と、まったく無自覚に過ごしてしまう人とでは、その後の「老け方」にかなり差が出てくるようである。

もう若いとはいえない年齢になっているのに、「自分は、まだまだ若い」と思い込んでいる。

まだまだ若いんだ、まだまだ糖尿病を気にする年齢じゃないと、20代の頃のような暴飲暴食をする。

こういう人は、差し当たって老化に抗するような努力もしない。

むしろ老化を促進することばかりしている。

そのために皮肉にも老けるのが早いのである。

人が「自分は若い」と思い込むには、それなりの理由はあるのだろう。

若いときから病気ひとつしたことがない。

若い頃に陸上部に在籍し、散々体を鍛えてきた。

いまもって大酒を飲んでも、二日酔いすることなどない。

しかしそんな自信満々の人が、危ない。

長寿の人の話を聞くと、あんがい若かった頃には体が弱く病気がちであった個人が多い。

体力に自信がなかったから、健康のために色々と気を使い、栄養のバランスを考え、適度な運動に励む。

それがいい結果につながったのだろう。

ちなみに「老化を防ぐ七ヶ条」というのがある。

■食べ過ぎない。

■タバコを吸わない。

■一適正飲酒を心がける。

■運動する習慣を持続つ。

■ストレスを溜め込まない。

■寝過ぎない。

■楽しく人づき合いをする。

病気は早期発見が大切だが、老化防止は早期実行が肝心である。

40過ぎたら留意されたし。

ところで更年期についても述べておこう。

更年期は、中年期によく見られる典型的な「心身のバランスの崩れ」という現象だ。

更年期というと女性特有の病気だと思われがちだが、男性でも、かなりひどい症状に、しかも長期間悩まされる人がいる。

さて、これは男女共なのだが、自分が更年期だとわかると大きなショックを受ける人が多いようだ。

更年期は、ある意味で「あなたはもう若くはないのですよ。これからは本格的に老化が始まるのですよ」という宣告である。

けっして生き死ににかかわるものではないが、はっきりと「もう若くはない」と告げられるのは、かなりつらい。

そのために憂うつ感が強まって症状が悪化することもある。

止まない雨はない。明けない夜はない。更年期は必ず乗り越えられるのだから、ふさぎ込まないこと。また老いるということを、あまり否定的に考えない

ことだ。更年期を過ぎれば、もっと楽しい人生がやってくると信じて、楽天的

な気持ちで日々を過ごすこと。

あとは医者のいうことを信じて、症状を軽くする治療に専念するのがよい。