デザートをダイエットの強い味方に変える「食べ方」

デザートは甘いものが主流であるが、実はこのいくらかの甘いものが太りすぎを防止するといったら、驚くかもしれない。

しかし、デザートの糖分は、食べすぎを防止するのに効果があるのだ。

 

人の満腹感は血液中の糖分によって左右される。

血液中に糖分が増加してくると、満腹感がでてくる。

よく食前に甘いものを多く食べると食欲がなくなるといわれるのは、血糖値が上がってしまい、空腹感がなくなるためである。

 

ところで、最近の日本の食事は以前と異なり、洋風化してきた。

それにつれて、脂肪の多い料理が主流を占めるようになった。

脂肪分が多いと消化吸収に時間がかかる。

それは脂肪には消化液が作用しにくく、脂肪が胆汁の中に含まれる胆汁酸などによって乳化されて初めて消化されるからである。

そのため食べてもすぐには、血糖値が上昇しない。

つまり、食事をしてもなかなか満腹感が出てこないのだ。

 

したがって、満腹感が出ないままについつい食べすぎてしまうことになる。

そこで、まだちょっともの足りないな、というくらいのところで糖分を含むデザートを食べると、たちまち満腹感を感じる。

その理由は、脂肪と違って糖分はすぐに吸収され、血液の糖分を増すからである。

したがって、デザートを食べることは、食べすぎを防ぎ、減食しているという感じをもたずに肥満も防止するという効果があるのである。

 

ただし、デザートの糖分はよいが、間食にしばしば糖分の多い菓子類を食べることは肥満の原因となる。

これはたくさんは食べていないようでも、結果的には、糖分を多くとることになり、その糖分が体内で脂肪に変わり、肥満につながるからである。

では、日本の食生活では、昔はなぜデザートがあまり重視されなかったのであろうか。

それは、主食としてデンプンの多い米などの穀物が今より多量に食べられていたからである。

 

そして、食べすぎない方法としては、よく噛むようにといわれてきた。

なぜなら睡液には強力なデンプン分解酵素であるアミラーゼが含まれているので、よく噛むことで、ロの中ですでに糖類が多く生産され、消化器からの糖類の吸収も早くでき、満腹感を得られやすかったからである。

しかし、食べ物に脂肪分が多いと、デンプン食品をいくらよく噛んでも唾液のアミラーゼ作用しにくい。

それは、指肪が食物の表面に膜を張り、水に溶けているアミラーゼの作用を妨害するからである。

つまり、洋風の食事は、よく噛んでもあまり血糖値を上げるのに貢献しないということになる。

 

それだけに、食べすぎ防止にデザートは必要だが、ここで注意したいのは、クリームの多い洋菓子を食べると、脂肪に邪魔されて糖分の吸収が遅れることと、エネルギーが高いため肥満につながりやすいことだ。

その点、和菓子は低エネルギーで優れたデザートであるといえる。