人類の発展は、海産物を食べ始めたことに由来するという興味深い説がある。

鍵を握るはオメガ3という必須脂肪酸で、EPA・DHAという名前でも知られている。

記憶や集中力を高めるには、ネットワークを司る大脳の機能を活性化させる必要があります。

そこでは、オメガ3という脂肪酸が必要不可欠。

サケやイワシなどの小魚は、このオメガ3を多く含んでいます。

 

約200万年前、アフリカの中央の草原で狩りをしていた人類の祖先の一部がおそらく争いに負け、食物獲得のため、海岸、湖岸へ移動し、魚などの水産物を食べ始めます。

水産物を獲れる動物は少ないので、捕獲技術さえ発達させられれば、充分な食物が得られるわけです。

面白いことに、この頃からヒトの大脳は急激に大きさを増していきます。

 

私たちは人類の中でも、ホモ·サピエンスという約20万年前に誕生した種に属しますが、約5万年前頃に誕生の地アフリカを出て、世界中に広がります。

その時も人々は海岸沿いを離れずに、常に海産物を獲りながら拡がっていったとされています。

つまり私たちのルーツは、どうやら食物獲得の争いに負け、逆境の中で水産物を捕獲する技術を発達させて、そこから豊富に得られる必須脂肪酸オメガ3を活用することで大脳を発達させることができたのでしょう。