身内が亡くなると、その直後から様々な準備や手続きに追われることにります。
葬儀そのものは故人を見送るためのシンプルな儀式に見えますが、儀式を滞りなくスムーズに行うためには、しなければならない手配や手続きが山積みです。
臨終直後にまず行う喪主の決定、葬儀社選びのポイントなど、葬儀に至るまでの大切な手順について説
明していきたいと思います。
Contents
手順① 臨終を迎えたらその場でしなければいけないこととは?
臨終を迎えたらまず決めなければならないのは、遺体の安置場所をどこにするかということ。
病院の安置室に遺体を安置できる時間は通常数時間ほどです。
最初の対応、つまり病院から遺体をどこに搬送するかだけでも事前に心づもりをしておくと安心です。
また、搬送を依頼する際、病院から紹介された葬儀社にお願いすると、選択の余地がないままその業者葬儀を依頼することになってしまいます。
「搬送だけ依頼する」など事前にお願いの範疇(はんちゅう)を明確しておくか、遺体搬送専門の寝台自動車会社に依頼する方法もあります。
◎ 遺体の安置場所をどこにするのか?
【自宅】
遺体を安置する十分なスペースがある。弔問客の対応ができる体制整っているなど、きちんと確認してから自宅への安置をきめます。
【葬儀社ホール(安置室)】
自宅が狭くて、遺体を安置するスペースがない。弔問にくる方の対応が難しいなど。葬儀社が決まっている場合は、葬儀社の安置室へ安置します。
【火葬場などの霊安室】
火葬場に併設されている斎場の霊安室。安置室のない葬儀社へ依頼した時や葬儀を行わない直葬の時などに安置。
◎臨終から火葬までのやることリスト
【臨終】
チェック① 病院で死亡診断書を受け取る
チェック② 葬儀社に連絡して自宅・葬儀社などに遺体を搬送
【葬儀の準備】
チェック③ 喪主を決める
チェック④ 葬儀社と打ち合わせをする
チェック⑤ 僧侶の都合も踏まえて葬儀日時を決定
チェック⑥ 訃報(ふほう)連絡をする
チェック⑦ 当面の現金準備
チェック⑧ 納棺などの立ち会い
【通夜】
チェック⑨ 共花(きょうか)や席次の序列を確認する
チェック⑩ 僧侶到着時、控室への案内
チェック⑪ 通夜振る舞いなど料理の確認
チェック⑫ お布施を僧侶へ渡す(読経後控室にて)
チェック⑬ 受付から香典などの受け渡し
【葬儀・告別式】
チェック⑭ 故人と最後の対面をする
チェック⑮ 出棺・棺を霊柩車へ運ぶ
チェック⑯ 喪主の挨拶
【火葬・還骨法要(かんこつほうよう)】
チェック⑰ 火葬場の控室での飲食を確認する
チェック⑱ 拾骨(しゅうこつ)手順の確認(序列にこだわりがある場合)
チェック⑲ 荼毘(だび)後の還骨法要や初七日忌法要の有無
チェック⑳ 精神落としなど会食の数や内容確認
チェック㉑ 埋葬(まいそう)許可書を受け取る
手順② (葬儀の準備)喪主を決めたら何をするの?
喪主は供養の責任を果たす中心的な人物です。
遺族の代表として葬儀を執り行い、故人に代わり弔問を受けます。
実際の葬儀は葬儀社が進めるが、そのために誰かの決裁を行う人物が喪主となります。
故人を偲ぶ気持ちの面でも、実際的な手続きの面でも大きな責任を担います。
手順③ (葬儀の準備)葬儀社選びで気をつけることは?
いい葬儀社を選ぶ4つのポイント
① 個人情報の守秘管理が徹底管理されている
② 担当者のマナーがよく知識が豊富
③ 希望や要望をしっかり聞いてくれる
④ 見積書の内容を明確に説明してくれる
葬儀社には葬儀の一切を任せることになるので、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
中でも気をつけたいのは、個人情報の守秘管理の扱い。
身内しか知らないことを伝える場合もあるので慎重に。
また、葬儀社に事前に見積書・仕様書を提出してもらい、料金にどこまでの費用が含まれているかをきちんと確認することも大切です。
手順④ (葬儀の準備)葬儀案内の訃報(ふほう)をどのように通知するの?
葬儀案内(訃報)は、葬儀の日程が決まってからすぐに通知をします。
連絡の目安としては、通常年賀状をやり取りしている範疇(はんちゅう)と言われています。
文書で通知する場合、FAXやメールでの案内が主流となります。
その場合は下記の文面を参考にしてみましょう。
近年では「葬儀は近親者のみで執り行いますので、御会葬(ごかいそう)は大変失礼ながら、ご辞退申し上げます」など、遺族の側から意思表示をする場合もある。
その場合は、遺族の気持ちをきちんと伝えて、失礼のないようにしたいものです。
訃報通知例文
手順⑤ (通夜)喪主はいつ、どんなあいさつをすればいいの?
通夜・葬儀の間は、弔問客に対し、「生前は故人がお世話になりました」など簡単な言葉を述べるようにしたいものです。
喪主あいさつについては、通夜の時は、読経、焼香が終わり、通夜振る舞いの前か、通夜振る舞いの席で行います。
弔問客へお礼や故人が生前お世話になったことへあいさつをすることです。
葬儀・告別式では全ての葬式が終わり、棺を霊柩車へ運んだ後にします。
内容は葬儀へ出向いてくれたお礼と、故人の人柄や生前の思い出などを話す。
喪主があいさつするのがむずかしい場合は、遺族代表者が代わりに行うこともあります。
【弔問客へのあいさつ例】
本日はお忙しい中ご弔問くださいまして、誠にありがとうございました。
今となると心残りなことばかりでございますが、これも寿命でしょうか。生前に寄せられた格別のご厚情に対し、心よりお礼申し上げます。
【喪主のあいさつ例】
本日はご多用中にもかかわらず、母、○○の葬儀にご会葬くださいまして、ありがとうございます。
母は、病気らしい病気をしたこともなく、元気に過ごしておりましたが、昨年父を亡くして以来、体調を崩し、一昨日、静かに眠りに就きました。
痛みや苦しみもなく、安らかな最後でした。
本日はこのようにたくさんの方々に見送られ、母もさぞかし喜んでいることと思います。
今後とも故人同様、私ども家族に対しましても、変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
みなさま、本日はどうもありがとうございました。
手順⑥ (葬儀・告別式)葬儀と告別式の違いについて
葬儀は「葬送儀礼」の略になります。
「葬送」はご遺体にかかわる手立てで、納棺や火葬などへの対応のことです。
「儀礼」は宗教的対応で、日本では仏教作法によることが多いです。
これに対し「告別式」は故人や遺族の社会的な対応のことで、本来はご遺体や魂などには関係しない世間的な行事のことをいいます。
これまでは、葬儀と告別式を同時に執り行う形となっていました。
「一つの提案として、通夜と葬儀・告別式を合わせて、夜に一回だけ施行という形をとり、翌日は、身近な方や遺族のみで出棺と荼毘(だび)を行うという形もあります」
費用と労力も合理的になるし、事前相談を十分に行うことが重要です。
手順⑦ (葬儀・告別式)座る席順はどのように決めるのでしょうか?
通夜での席次は、一般的には血縁の濃い順番とされています。
棺に一番近い席から順に、喪主、喪主の配偶者または子ども、故人の兄弟姉妹、その他の親族と続きます。
「あまり席次にこだわりすぎるとトラブルの元です。お互いに譲り合うことがマナーですがうるさそうな親類には注意が必要です」
親族の後は、来賓(らいひん[招待された客])、知人・友人と続き、焼香を行う順も席次通りとなります。
席順・焼香の順番
席順と同様、血縁の濃い順番に行う。
① 喪主 ※故人の配偶者が喪主でない場合は喪主に続く
② 喪主の配偶者または子ども
③ 故人の兄弟姉妹
④ その他の親族
⑤ 来賓(会社関係の人など)
⑥ 友人・知人
手順⑧ (葬儀・告別式)故人の希望で家族葬を執り行うには?
葬儀は、本来の形式を必ずしも踏襲(とうしゅう)する必要はありません。
故人の希望をできるだけ叶えることが優先です。
最近では、家族葬の形をとる場合も多いので、遺族で話し合って故人らしいスタイル選びをします。
故人の友人が、最後のお別れができなかったと残念に思う場合もあるので、後日「お別れの会」を開催し、故人を悼むのもいいでしょう。
お葬式の形式と規模
【直葬】10人程度
病院などから火葬場の安置室へと直接搬送し、その場で短いお別れを告げる。
【家族葬】30人程度
家族を中心としたごく小規模の葬儀。密葬とことなり、日を改めて本葬を行うことはない。
【一般葬】50人以上
故人の親族や友人、知人、会社関係者のほか、遺族に関わりのあった人々も参列する。
【密葬・社葬】大規模
後日本葬を行う前提で「密葬」に伏す。社葬などの大規模な葬儀が多いが、最近は葬儀は直葬で、後日告別式をメモリアルパーティとしてホテルで行う人も増えた。
手順⑧ (火葬)還骨法要(かんこつほうよう)と初七日忌法要(しょなのかきほうよう)について
還骨法要とは、火葬した遺骨の安置後に僧侶に読経してもらい、喪主から順に焼香をする儀式。
初七日は、本来は死亡した日から数えて7日目に行う法要の事をいう。
本来は別々に行うものだが、最近は遠方から来ている遺族への配慮から、火葬と同じ日に還骨法要と初七日忌法要を執り行なうのが一般的となってます。
一連の法要が終わった後は、「精進落とし」で、僧侶や世話役などを遺族がもてなします。
「精進落とし」にて忌明けの食事をする。
精進落としのときは喪主が、無事に葬儀を終えたこと、お世話になったことのお礼を伝えるようにする。
開催時間は1~2時間くらいが目処です。