役所関係で必要な届け出や手続きは、期限が定められているものが多です。
遺族年金のように、遺された家族にとってこれからの生活に欠かせないものもあります。
やらなくてはいけないこと、必要なものをきちんと確認することから始めましょう。
何を、いつまでにやればいいのかリストにして整理しましょう。
必要な手続きと一緒に提出書類も確認しよう!
配偶者や家族などの身内が亡くなった直後は、悲しみに加えて、葬儀などで慌ただしく過ごすためうっかりしがちです。
ですが、人生の終わりにはさまざまな届け出や手続きをしなくてはいけません。
民間企業の各種サービスであれば定められた期限はありませんが、役所へ提出する社会保険や税金関係は期日が設定されているものが多いので、特に注意が必要です。
役所関係で必要になる、社会保険や税金などの手続きをまとめました(下記)。
一見、その多さに驚くかもしれませんが、すべての人が全部を提出する必要があるわけではありませんし、同時に行えるものも多いです。
大きく分けますと、
①住民票、
②戸籍、
③健康保険、
④年金、
⑤税金
となります。
まず、故人の場合は何をいつまでに提出しなくてはいけないのか、提出にあたって必要な書類は何なのかを整理することから始めましょう。
というのは、戸籍謄本や住民票など必要な書類は重なっていることが多いからです。
これらをムダなく準備するためにも、最初にすべてを把握しておくことがスムーズな手続きには欠かせません。
葬儀後の届け出・手続きの優先順位のチェックリスト
◆住民票
●内容:世帯主変更届
期限:14日以内
世帯主が亡くなり、残る世帯員が2人以上で、世帯主が明白な場合は届け出の必要はない。
◆戸籍
●内容:復氏届
期限:期限なし
配偶者が亡くなった後、名字を婚姻前のものに戻すことを希望する場合に提出。
ただし復氏届で旧姓に戻るのは本人のみで、子はそのまま戸籍に残り名字は変わらない
●内容:姻族関係・終了届
期限:期限なし
配偶者の親族との姻戚関係を終了させることを希望する場合に提出。
これにより、配偶者の親族などの扶養義務がなくなる。
この手続きができるのは、遺された配偶者のみ。
◆国民健康
健康保険保険
内容:資格・喪失届
期限:14日以内
資格喪失の手続きをして、健康保険証などを返却する。
世帯主が亡くなった場合は、扶養される家族全員も世帯主を変更して新しい健康保険証を発行してもらう必要がある。
内容:葬祭費
期限:2年以内
亡くなった人が加入者の場合、喪主に対して1~7万円が給付される(市区町村によって異なる)。
健康保険(会社員・公務員)
内容:資格喪失届
期限:5日以内
年金事務所へ資格喪失届を提出し、健康保険証を返却する。基本的には勤務先が行ってくれる。
内容:埋葬料
期限:2年以内
亡くなった人が加入者の場合、埋葬を行う家族に対して5万円が給付される
高額療養費
期限:2年以内
故人が自己負担限度額を超える医療費を払っていた場合、相続人の代表者が払い来いて受けられる
◆年金
年金受給権者死亡届け
期限:厚生年金は 10日、国民年金は14日以内
年金受給を停止させる手続き。
手続きが遅れたことにより年金が支給されてしまった場合は、その分を返還しなくてはいけない。
未支給年金請求
期限:受給准者の年金の支払日の翌月の初月の初日から5年
年金は亡くなった月まで受け取ることができる。未支給年金は、受給資格がある遺族が請求すれば支払われる。
国民年金
内容:遺族基礎年金
期限:支払理由が生じた日の翌月から5年
基礎年金加入中に亡くなったときなどに、故人によって生計を維持されていた家族に給付される。
給付額は家族の人数によって異なる。
内容:寡婦年金
期限:亡くなった日の翌日から5年
遺族基礎年金の受給要件に該当していない、夫の亡くなった 60 ~ 64 歳の妻に給付される。
給付額は夫の老齢基礎年金の4分の3
内容:死亡一時金
期限:亡くなった日の翌日からら2年
遺族基礎年金の受給要件に該当していない、故人によって生計を維持されていた家族に給付される。
給付額は故人が保険料を納めた期間によって異なる
厚生年金
内容:遺族厚生年金
期限:支払理由が生じた日の翌日から5年
厚生年金加入中に亡くなったとき、故人によって生計を維持されていた家族に給付される。
給付額は基本的に老齢基礎年金の4分の3
◆所得税
確定申告
内容:準確定申告
期限:4カ月以内(※1)
※1 死亡した日が1月1日~8月31日の場合。9月1日~ 10月31日は、その年の12月31日まで。1月1日~12月31日は翌年の2月15日
確定申告が必要な人が年の途中で亡くなった場合は、相続人などが代わりに確定申告を行う。
事業継承
内容:青色申告・承認申請書
期限:4カ月以内
アパート経営など故人が行っていた事業を引き継ぐ場合、税務署に青色申告承認申請を提出し、要件に沿った帳簿の作成などを行えば税金面で有利になる。