アメリカでは、勉強・会議の前にイチョウ葉エキスを飲むようです。
「イチョウ葉エキス」は「ギンコバ」とも呼ばれ、欧米では痴呆症に効果があるとして、かなり知られた薬です。
ドイツではすでに抗痴呆薬として正式に認可されていますし、ほかのヨーロッパ諸国でも脳血液循環の悪い患者さんには1日40ミリグラム、痴呆症の治療には1日40ミリグラム、医師が処方する薬として投与されています。
一方、アメリカでは、記憶力をアップさせるサプリメント(栄養補助食品)として認められており、ドラッグストアでも売られています。
アメリカでは、学生やサラリーマンが勉強や会議の前に、記憶力や集中力を高めるために、イチョウ葉エキスがごく普通に使用されているのです。
そのアメリカでの調査によると、軽度の痴呆症患者を対象にイチョウ葉エキスの効果を調べたところ、3%にあたる患者さんに効果が見られたといいます。
イチョウ葉エキスは、脳の血管を拡張させることで脳血流をよくして、神経細胞の働きを活発にすると考えられています。
しかし日本では、イチョウ葉エキスのような植物生薬は、成分を単一成分として特定できないことから医薬品として承認されません。
そのため、健康食品という形で販売されています。
健康食品というと効果の程度がはっきりしない、いわば怪しいものとして考えてしまいがちですが、海外ではイチョウ葉工キスはその効果と安全性が科学的にも証明されているのです。
脳の中では、神経細胞が神経伝達物質を放出して、連絡をとり合っています。
この神経伝達物質の一つに、「アセチルコリン」という物質があります。
アセチルコリンは記憶や学習と関係が深く、アルツハイマー病では、アセチルコリンの濃度が低下することがわかっています。
「アリセプト」は、アセチルコリンを分解してしまう酵素を抑えることでアセチルコリンの濃度を高め、アルツハイマー病の記憶力低下の症状を改善させる薬です。
欧米では1996年に承認され、日本でも1999年に抗痴呆薬として承認されました。
アリセプトの効き方には個人差がありますが、よく効く思者さんでは、
「時計が読めるようになった」
「理解力が出てきた」
「記憶力がよくなった」
「明るくなった」
など、これまでにない効果が発揮されています。
健康な人が記憶力を高めるために飲む薬ではありませんが、味では、画期的な薬が登場したといえます。
将来、さらに脳の研究が進めば、脳に効く薬という意味で健康な人が頭をよくするために飲む薬が出てくるかもしれません。