余計な話をする人は、ダラダラと損をしている
近所の人と立ち話をしたり、気の合った友人とたわいもない話をしたりするのなら、いくら話題が飛んでもいいでしょう。
けれども、職場で仕事の話をするときには、余計な話を交えて「話が長くなる」のは、同僚に迷惑をかけることもあります。
余計なおしゃべりが本当に問題なのは、おしゃべりが本題のじゃまになるというところにあります。
例えば、建設会社の営業マンが現場監督に、こんな話をしています。
「例の立体駐車場建設の件だけど、近所から騒音の苦情がきてるんだよ。まあ、以前のマンション建設のときみたいに住民運動のような集団で抗議にきているわけじゃないけど、もめると面倒だからな。あのときたいへんだったろう?オレなんか、あの騒ぎで息子の入学式に行けなくてな。あ、そうそう、お前んとこの娘さん、今度小学校にあがるんだっけな」
と、話している間に蘇ってきた記憶を次々としゃべってしまい、肝心の「立体駐車場建設の苦情問題」はどこかに飛んで行ってしまいます。
「作業開始時間を30分遅らせよう」と提案したり、「いつまで騒音が続きそうだ?」と聞いて、次の苦情の際に「あと2日で終わりますから、ご勘弁ください」といったりするなど、具体的な話をしようと思っていたのに、すっかり忘れているのです。
聞いているほうも、最初に聞いた「立体駐車場建設の苦情問題」に関する意識が薄れ、どう対処しようなどと考えなくなってしまいます。
そうやって対策が遅れたぶん、
「昨日も電話したんですが、まだうるさいじゃないですか!」
と、苦情がきても
「すみません、もうすぐ終わりますから」
としかいえず、
「もうすぐって、いつまでなんですか!まだ寝てる時間からうるさくされて困ってるって昨日もいったでしょう!」と、さらに怒らせてしまうことにもなります。
もし、営業マンが「立体駐車場建設の件、騒音問題になってるんだ。何か解決策はないか」という用件だけをいっていれば、現場監督は「じゃあ、工事開始を少し遅らせますよ。まあ、うるさいのは明後日までですから、また苦情がきたら、そういってください」という展開になったかもしれないのに、です。
世間話や無駄話は、人間関係の大切な潤滑油です。
しかし、ビジネスの押さえるべきポイントの話をするときは用件だけを適切に伝えてほしいものです。