アルコールは薄毛の原因になるよ!と周りの人からもよく聞いたりします。
インターネットでも調べると大半はそのようなことが書かれているのを見かけます。
酒好き中年おじさんは、気にしている人は多いと思います。
本当にお酒は薄毛につながるのだろうか。
お酒と薄毛の関係について、薄毛治療の専門家の先生にお話を聞いてみました。
Contents
中年おじさんの酒飲みは薄毛の人が多い?
お酒を好む薄毛の中年おじさんは、職場でも多く見かけます。
とは、いっても酒豪でありながらフサフサの人もいるのは確かです。
お酒の飲む量に応じて毛量が少なくなるのではという考えも世間の味方では繋がって見てしまう。
40代から50代にかけて、お酒を飲んでいる人では最近抜け毛が増えたし、毛量がかなり少なくなったように感じている人もいるようです。
加齢による薄毛の比率が高くなるのはある意味当然なのかもしれませんが、お酒が深く関係しているのではなかろうかと思います。
ネットで調べると、「アルコールは薄毛の原因になる」という記事も見かけます。
その原因は、アルコールが体内で分解する際に生成されるアセトアルデヒドが影響しているので、過度な飲酒はよくないと伝えられる記事も見かけます。
酒をガンガン飲み続けたら、抜け毛が増えて続けていくのだろうか・・・と疑問が湧きました。
じつは薄毛に医学的定義は存在しない
薄毛治療の専門家の先生に、飲酒は薄毛の原因に繋がるのですが?と聞いていみると・・・
薄毛治療の専門家の先生:「現時点での研究報告などから考えても、お酒が薄毛の直接の原因になることはないと考えていいでしょう」
薄毛治療の専門家の先生:「お酒の飲み過ぎで薄毛になるとしたら、アルコール依存症の方はみんな薄毛ということになりますよね? 実際はそうではありません。飲酒を過度に気にする必要はありません。ただし、後述するように、髪の健康を保つには、心身の健康を保つことが大事ですから、もちろん飲み過ぎは避けてください」
薄毛治療の専門家の先生によると、そもそも薄毛に医学的定義は存在しないのだといいます。
薄毛治療の専門家の先生:「薄毛や抜け毛で悩む人は1200万人以上いるといわれていますが、『1日の抜け毛が何本以上なら、将来薄毛リスクが高くなる』といったガイドラインは存在しないのです」
現時点では、遺伝的要素が強い「男性型脱毛症」(AGA)のメカニズムについては、医学的に確認されているという。
薄毛治療の専門家の先生:「AGAとは男性特有の脱毛症で、薄毛・脱毛に悩む男性の約8割が該当するといわれています。AGAの罹患率は、20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%と、加齢とともに高くなっていきます」
薄毛治療の専門家の先生:「AGAの原因として、近年注目されているのがジヒドロテストステロン(DHT)という物質です。DHTは、代表的な男性ホルモンであるテストステロンから、5α-リダクターゼという還元酵素によって生成されます。このDHTが髪の毛に作用すると、毛母細胞(髪の毛を成長させる細胞)の成長が抑制されてしまうのです。そして毛髪の成長期が短くなることで、髪が太くなる前に抜けてしまい、細く短い髪が多くなることで薄毛が目立つようになります。このAGAは、遺伝的要素が非常に大きいといわれています」
加齢とともにテストステロンの分泌量は減る傾向があり、DHTの分泌量は増えていくようです。
これによって中高年になるとAGAが増えていく理由にあたります。
薄毛治療の専門家の先生:「しかし、すべてが遺伝とは言い切れない面もあります。実際、遺伝的条件が同じ一卵性双生児でも、異なる生活環境下で過ごすうちに、薄毛の進行度合いに違いが見られることがあります」
遺伝的要素が大きいとはいえ、生活習慣にも配慮する必要があるわけです。
では、どんな生活習慣がよくないのでしょうか?
薄毛の原因になる生活習慣でのリスク
肥満の人は注意!
家族歴、喫煙の有無、飲酒の有無、血圧、肥満度、および血液検査の各種データなどとAGAの関係を解析、2012年の「第16回 ヨーロッパ毛髪研究学会」(European Hair Research Society)で結果が発表されている内容の結果に基づいた内容です。
薄毛治療の専門家の先生:「その結果、現時点で唯一AGAとの関連性が確認できたのがBMI(Body Mass Index)、つまり肥満度です。BMIの数値が25以上の人はAGAになる率が高くなることが確認できました。つまり、肥満の人は薄毛になりやすい傾向があったわけです。この研究では、喫煙、高血圧、飲酒といった他の要因との因果関係は確認できませんでした」
結果からも、肥満の人は食事・運動などの生活習慣を改め、痩せる必要がありそうです。
飲酒と薄毛の間に直接の因果関係が確認できていないわけで、酒飲みの中年おじさんたちも少しホッとします。
しかし、ストレスになるより酒を飲んだほうがいいからといって、好きなだけ飲んでいいかといったらそうではありません。
問題は「酒量」です。
薄毛の原因になる生活習慣でのリスク
心身ともに健康でいることが何より大事
薄毛治療の専門家の先生:「『心身ともに健康でいること』が髪の健康につながるのです。ですから、お酒を我慢することが、その人のストレスになるくらいなら、飲んだほうがずっといいと言えます」と話す。
薄毛治療の専門家の先生:「ですが、度を越えて飲んでしまうのは逆効果です。過度な飲酒は、髪の毛はもちろん、体のさまざまなところに悪影響を及ぼします。というと、どのくらいまで飲んでいいかが気になると思いますが、一般に適量といわれる純アルコール量[計算式(下記に掲載)]に換算して20g程度を目安にするといいでしょう。日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度です。アルコールの代謝には個人差がかなりありますので一概には言えませんが、この程度であれば頭皮への血流がよくなるなど髪にとってプラスに働く面もあると考えてもよいかもしれません」
確かに自分の意志に反して飲むのを我慢すると、ストレスからか、やたら甘いものを食べたりしてしまいます。
お酒は適量までなら飲んでいいと聞いてホッとします。
ただし、飲み過ぎはNGなのです。
純アルコール量[計算式]:「飲んだ量(mL)」×「アルコール度数(10%なら0.1)」×「0.8」で計算できる。
髪の健康を保つために、酒量以外の食生活では、何をどう気を付けたらいいのだろう?
太りすぎは悪影響を及ぼす可能性があるので、肥満や肥満気味の人は、食べる量を減らすなどしてダイエットしたほうがよさそうだが、個別の食材はどうすればいいのだろうか。
おつまみ選びの参考にもしたいところです。