考えすぎなくて大丈夫、気楽にかまえてみよう
誰でも少なからず対面恐怖という感情を持っている。
これはまさに典型的な対面恐怖だが、こうした状態に陥りやすい人には真面目人間が多い。
気が弱く、人見知りをし、細かいことを気にしすぎる神経質な人である。
こうなってしまう原因は考えすぎにあると思う。
人前で馬鹿なことをしゃべってしまわないだろうか、自分がしゃべっても、みんなは無視するのではないか、どうせ自分の言うことなど聞いてくれないだろう・・・といった不安や恐怖があって人前で緊張する。
そして、その結果、しゃべる言葉が出てこないというみじめな目にあう。
これではいけない、なんとかしなければ、という思いが、さらに強い緊張を呼び起こすことになって、いっそう口が重くなる。
こうした悪循環に陥るのは、過去にも同様の失敗体験を味わったことがある場合が多いようだ。
つまり、過去の失敗をいつまでも忘れられないことで、いっそう緊張状態が強くなっていくのである。
この状態から脱出するには、何かいいことをしゃべろうと思わないことである。
立派なことを言って人を感動させてやろうとか、人に笑われるようなことは言うまいと考えてしまうと、かえって緊張感を高めてしまい、失敗する可能性を広げてしまう。
だから、くだらなくてもいいから臆せずしゃべるほうがいい。
もっと気楽に構えて人と接するべきである。
ある意味で、対面恐怖から脱出するには、徹底的に恥ずかしがり屋になってみるのもよい方法かもしれない。
要するに、徹底的に愚かでみじめな自分になってしまうのである。
つまり、道化役に徹するのだ。
ミスをしたら、「あ、これはお邪魔だった?」という調子だ。
あくまでそういう気持ちで人と会えばいい。
何かトンチンカンなことを言ってしまったとしても、正々堂々、いけしゃあしゃあとして恥ずかしがらなければ、逆に、「こいつは面白い人間だ」という評価を生むこともある。
中途半端だから、よりみじめになるのであり、第一印象を悪くしてしまうのではないだろうか。