皮脂の分泌量のピーク・・・「加齢臭」は、何歳くらいから発生するのでしょうか?
50歳? 60歳?
いえいえ、違います。
「加齢臭の元となる皮脂の分泌量は、30代がピークなんです」
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加齢臭の元となる皮脂の分泌量が30代がピークになる理由
皮脂の分泌量のデータを1分間に、皮膚1センチ×1センチの範囲で、どのくらいの皮脂が出るかのデータを見てみましょう(単位は1000分の1グラム)。
10代=2・5
20代=5
30代=7・ 5~8
40代=6~7・5
50代=6
「脂っぽいニオイ」、つまり加齢臭の元になる皮脂は、30代で最大となります。
ニオイの元「ノネナール」の物質によって発します
もともと「加齢臭」という言葉は、化粧品メーカーが「高齢者特有のニオイの元」を発見したさいに、命名されたものです。
ニオイの元は、「ノネナール」という酸化物質です。
ちょっと難しい話ですが、これは脂肪酸と過酸化脂質が反応してできます。
過酸化脂質とは、脂分が酸素と結びつくことで酸化して、変質したものです。
酸素は、たとえば鉄と結びついて赤茶色の「さび」などを発生させます。
過酸化脂質は、いわば脂がさびているような状態だと思ってもらえればいいでしょう(色が茶色になったりはしませんが)。
肌の表面に出てきた脂は、さほどくさくはありません。
しかし、脂は、汗や古くなった皮膚と混ざります。
これは時間がたつと、酸素などによって酸化して変質します。
また、脂の混ざった汗や皮膚のカスは、菌や微生物により分解され、ニオイを発しはじめます。
こういった状況は、年齢によって異なります。
若いうちは新陳代謝が活発に行なわれるので、汗の量は多く、皮膚のカスの量も多いようです。
年を重ねると、汗や皮膚のカスの量は少なくなりますが、脂の成分が変化するようなのです。
こうして、年齢により発するニオイは変化します。
若いうちの脂くささは、攻撃的なムッとする感じ。
年齢を重ねてからの脂くささは、攻撃的でいて、その中に何か枯れたような、ひなびたような古くさい感じもします。
年齢によって違う「加齢臭」「年齢臭」
よく、電車内などで代以降の男性に接近したときに、脂くささというよりも『思わず息を止めたくなるような独特のきつーい異臭』を感じることがしばしばあります。
明らかに汗くささとは異なるニオイです。
このニオイの違いは、年齢によって違うので、「加齢臭」は「年齢臭」と言い換えることもできます。
「ノネナール」は、40代以上で発生します
30代男性の脂っぽいニオイの原因となっているのは「ベラルゴン酸」という脂肪酸の一種です。
この成分も「ノネナール」と同様に、皮脂が酸化したことで発生しています。
元となる皮脂の分泌量も、皮脂の成分も年齢によって異なる。
ニオイもそれにつれて変わっていくのです。
まとめ
加齢臭の原因物質は、初代と仲代以降では違う。「脂くささ」の特徴も、年齢によって変わってくる。