多く摂りすぎると、人体を危険にさらす塩。
塩の摂取には、質にこだわるよりも、量を抑えることが重要なのです。
最近、さまざまな自然塩が出回っています。
どの塩も、食品添加物などの不安はありませんが・・・
Contents
「食塩」は、イオン交換膜製法でつくられています。
これは、海水に溶けているプラスイオンのナトリウムとマイナスイオンの塩素を電気的に海水から集めて、ナトリウム塩素とするものです。
塩化ナトリウム分が高く(九九パーセント)、昔の塩のようにマグネシウム、カルシウム、カリウムといったミネラル分(にがり分)はほとんど含まれていません。
「天日塩」は、オーストラリアやメキシコの塩田で海水を自然乾燥させた天日塩を輸入。
水に溶かし、不純物をとり除いて再生したものです。
地域名をつけて○○塩とうたった塩も売られています。
しかし、実際にその地域で、塩田法にのっとってつくられた自然塩は、ほとんどないと考えてよいでしょう。
海洋深層水塩が話題になっているけど本当にいいの?
海洋学で海洋深層水といえば、深さ3000~5000メートル程度の海水のことですが、現在、一般的には深さ300メートル程度の水を指しているようです。
さて、世間でいわれているように、この海洋深層水塩は、自然塩の中でもっとも効率的にミネラル(カルシウムとマグネシウム)を補給できるのでしょうか。
私たちの一日の食塩の摂取量(塩分とは違う)を、多 くても2グラムとします。
その2グラムを深層水塩で摂ると、カルシウムの摂取量は成分計算から31ミリグラムとなります。
これは、30~49歳の日本人栄養所要量である600ミリグラムの200分の一です。
含有量が多いといわれるマグネシウムでも、1日栄養所要量の約13分の一にしかならないのです。
このように考えてみると、塩からミネラル分を補おうとするには無理があることがわかります。
どのタイプの塩を選んでもさほど変わりはありません。
あとは、味などの好みの問題でしょう。
高いお金を出してまで選ぶ意味は小さいと思います。
栄養については、ミネラルの心配をするより、塩の摂りすぎに注意することのほうが大切ではないかと思います。
なお、2002年8月に固結防止剤として、フェロシアン化合物が許可されました。
健康への悪影響はないようです。