野菜を食べるだけで「太らない」「病気にならない」
野菜は、「太らない食べ方」の万能食材です。
野菜はカロリーや脂質が少ないだけでなく、野菜に含まれる「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」こそ、「太らない体」をつくるのに欠かせない栄養素だからです。
ビタミンやミネラルは、「糖質」「脂質」「タンパク質」の三大栄養素がエネルギー源になったり、細胞や器官などの体の構成成分になったりするプロセスを、補助・調整しています。
三大栄養素が、それぞれ体の維持に必要な物質にスムーズに変化するのは、ビタミン、ミネラルの働きのおかげなのです。
また、食物繊維は糖や脂質などの吸収を調整したり、腸の機能を高めて排池をスムーズにしたりしています。
このように、消化、吸収から排池までのサイクルがしっかり成り立っている体こそ「太らない体」と言えます。
だから、そのすべてを可能にする野菜は、「太らない食べ方」の万能食材なのです。
では、いったい1日にどれくらいの野菜を食べればいいのでしょうか。
1日350グラム以上、うち120グラム以上を緑黄色野菜にする これが厚生労働省の推奨する野菜の摂取量の目安です。
350グラムとは、野菜妙め2皿分、生の野菜にすると、ラーメンどんぶりにこんもりするくらいです。
キャベツの外葉なら7枚分(1枚約50グラム)、ナスなら4個分(1個約80グラム)です。
このように書くと相当な量に思えるかもしれませんが、食べ方しだいでは十分摂取可能な量です。
「野菜を350グラム食べる」と言うと、何となく生野菜をパリバリ食べるようなイメージを持ちませんか。
だから「どんぶり1杯分なんて無理!」と思ってしまうのかもしれませんが、みそ汁、煮もの、おひたし、酢の物、漬物などにすれば一気にカサが減ります。
こういう料理を選べば、350グラムは意外と簡単にとれるものなのです。
ですから、今日からは意識して、野菜がたくさん使われている料理を選ぶようにしましょう。
また、野菜には、がんや心臓病などの病気のリスクを低下させ、寿命を延ばす働きもあります。
たとえば、デンマークのある研究では、「現在のデンマーク人の平均的な野菜摂取量は1日あたり270グラムだが、これを400グラムに増やすと寿命は0.8年延び、がん発症率は19パーセント低下する。さらに500グラムまで増やすと寿命は1.3年延び、がん発症率は32パーセント低下すると報告されています。
また、アメリカのある研究では、「野菜・果物の摂取が1日3回以上の人と1回以下の人を比較すると、前者は心臓発作や心臓病による死亡が少ない」ことが明らかにされています。
このように、いいことばかりの野菜は、たくさんとるに越したことはないのです。