「二人きり」のデートで生彩を取り戻す
子どもがいる家庭の外出は、ほとんどの場合、子どもが一緒だ。
そして、子どもがある程度大きくなると、妻は友だちと外出し、夫は会社のつき合いで出かけるパターンが多いかもしれない。
「夫婦二人きりで出かけるなんて、もう思い出せないほど昔のこと」と言う人もいれば、「二人で行くとしたら、スーパーの買い出しくらいかしら。大きな荷物のときは助かるし、車を出してくれるからね」と言う人もいるだろう。
なんとも、ロマンのない話である。
子どもはいつか巣立っていく存在だ。
そうなれば残されるのは夫婦。
そして日本人の平均寿命は年々延びているので、長い間ずっと一緒に人生を歩んでいくのが夫であり妻なのだ。
だからこそ、ある程度子どもの手が離れる40代になったら、夫婦2人になるときの予行演習として、積極的にデートをしたいものである。
また、時間や経済的に許されるのなら、2人だけで旅行に行くのもいいだろう。
家のなかでは子どもに合わせて「お父さん、お母さん」「パパ、ママ」と呼び合う人も、デートや旅行の間ばかりは新婚気分に戻って、互いの名前を呼び合うのもいい。
名前の呼び方を変えるだけで、若いころのときめきが蘇る。
また、デート以外にも互いの記念日を祝う習慣を、生活のなかに取り入れるといいだろう。
というのも、日本人は子どもの誕生日は盛大に祝うのに、妻や夫の誕生日はお祝いをするどころか忘れてしまっている場合がある。
「いい年してお祝いも何もないだろう」と言われるかもしれないが、ここまで年齢を重ねてこられたことに感謝し、祝うのは少しもおかしくはない。
最近の恋人たちは、出会って一か月記念、つき合い始めて二か月記念など、アニバーサリーを大切にするという。
若者たちと同じようにとはいかなくても、夫婦の始まりの日として、結婚記念日は毎年忘れずに祝いたいものだ。
夫婦二人きりになっても、手をつないで出かけたり、クリスマスを祝えるような関係が持てれば、 2人の老後はきっと豊かなものになるに違いない。
40代はその準備期間。
「ローマは一日にしてならず」である。