「失敗したらもう終わり」と決めつけない
あなたにとって社会人としてのゴールとは何か。
社内で同僚よりも出世することだろうか、起業して経営的に成功することだろうか。
目標、ゴールを持って努力するのはいいことだ。
しかし、その実現が不可能となったら、それがそのまま人生の失敗になるのだろうか。
成功でなければ失敗だ、幸福でなければ不幸だといった白か黒かのニ元論的な考えからは、そろそろ卒業したほうがいい。
決めつけは、可能性を狭めるだけである。
成功しなければ価値がない、失敗ならもう終わりといったような二元論では、人生の他の可能性をすべて消してしまうことになり、それは豊かな人生とはいえない。
世の中には白と黒以外に無限に近い数のグレーが存在すると気づいてほしい。
ひとつの方法として、夢や目標、ゴールへの道筋をひとつに絞らず、いくつかのパターンを想定してみることをおすすめする。
つまり、ゴールに至る乗り換え可能な複数の道筋を具体的にイメージしておくのだ。
第一の道が駄目なら第二の道、それが駄目なら第三の道を想定していれば、ゴールへのひとつの可能性が閉じてしまっても、それだけで未来が閉ざされるわけではない。
変化の大きい時代だからこそ、チャンスはいくらでもある。
これまでの概念にとらわれていては、ゴールできるものもゴールできなくなる。
うさぎと亀の話でも、結局はうさぎもゴールしている。
もし、うさぎが目覚めたときに、もう亀には勝てないからと考えてゴールを目指さなかったら、うさぎはゴールすることはできなかった。
また、映画化もされたのでご存じの人も多いと思うが、「オールド・ルーキー」として注目されたジム・モリス投手の自伝も興味深い。
野球少年だったモリス氏は、大リーガーになる夢が破れて高校教師になるが、その高校の野球チームを鼓舞するため、チームが地区大会で優勝したら自分ももう一度プロ入団のテストを受けると約束する。
そしてチームは優勝し、モリス氏も入団テストを受けることになる。
すると、見事に合格し、35歳にしてメジャーで活躍するのだ。
ゴールに至る道はいくらでもある。
ひとつ閉ざされたからといって可能性がすべて閉ざされたわけではない。
また、同様にゴールはひとつとは限らない。
満足のいく人生を送るためのゴールはいくらでもあることを想像してほしい。
未来はたったひとつと考えるべきではないのだ。