感性を磨く十原則
①自然の偉大さを知る
②感動を味わう
③末端・現場を知る
④快・不快の印象を大切にする
⑤自分とちがう立場の人の存在を知り、認める
⑥いつもとちがう環境に身を置いてみる
⑦歴史を学ぶ
⑧古典を学ぶ
⑨素朴な興味、関心、好奇心をもつ
⑩静かに自分を見つめる
以下、順に解説しよう。
①自然の 大さを知る
人間の知識や力などは知れたものだ、と悟り、人間の力の及ばない大きな力の存在を知るべきである。
自然に対する畏敬の念(いけいのねん:大自然や神や仏などに対して、自然に心に浮かぶ気持ちのこと)である。
これを忘れた人は、思い上がった考えからとんでもない過ちを犯すことになる。
自然破壊、動植物をはじめ異民族に対する虐待、人種差別などろくなことにはならない。
地球温暖化やオゾン層の破壊、生態系の破壊から異常気象や食糧危機など、極めて深刻な問題を抱えている。
みんな過去における自然に対する畏敬の念を忘れたツケがまわって来た結果である。
今こそ自然の偉大な力を知り、謙虚になることが必要である。
②感動を味わう
謙虚な気持ちで自然に親しむと、至る所に感動がある。
四季の移り変わり、日々の自然の営みに感動がある。
そうすれば、やたらに乱開発したり、自然を破壊することなどはむやみにはできないはずである。
また人間関係においても、他人に対する感謝の気持が育ち、ギクシャクしていた関係の改善や利害の対立を乗り越えて、問題解決にこぎ着けることもできるだろう。
労使や、受注者と発注者の関係改善も進められるはずである。
慣れた職場での少々の乱雑さや不都合は気にならなくなり、「まあ、こんなもんですよ」で済ましていないだろうか。
クレームや納期遅れで悩まされ、業績不振に瑞いでいた会社が、新入社員の目で職場を見直すことによって、見違えるほど蘇ったことがある。
同社の新しいキャッチフレーズは「小さい感動、大きい感動」であった。
マンネリ化し、感動を失ったところでは、職場にせよ家庭にせよ、幸運も繁栄も逃げていく。
③末端・現場を知る
私たちの仕事や日常において「データがすべて」というような尊大(そんだい:(思いあがって)ひどく偉そうに人を見下した態度であること)で偏狭(へんきょう:自分だけの狭い考えにとらわれること。度量の小さいこと)な考えにとりつかれると、マーケティングに失敗する。
自分自身を知り、職場や得意先で周りの人々がどんな人々かを知れば、その中で自分を生かし、足りないところは周りの人々に補ってもらうことができる。
これができれば、とりあえず自分を取り巻く環境の中では、安定した精神状態を維持できるからである。
ただしそれだけで満足してしまうと、広い世界で起きていることが分からなくなり、「井の中の蛙(かわず)」となって、身を誤るおそれがある。