食用植物油「リノール酸」のものには、問題が山積!
揚げものなら酸化に強い「オレイン酸」がベスト
食用植物油で不安なのは、原材料が遺伝子組み換え食品かもしれないということ。
大豆、なたね、コーン、綿実(めんじつ)の油だと、遺伝子組み換えの不安があります。
「オリーブ油」「べに花油」「米ぬか油」「ごま油」なら不安はありません。
不安のもう一点。
これまで安全な植物油の代名詞としてもてはやされてきた「リノール酸」に、ちょっと疑問が出てきたこと。
①リノール酸は、悪玉コレステロールの値を下げるだけでなく、善玉コレステロールも下げてしまう。
②血栓や脳卒中などを起こしやすい。
③酸化しやすく、発ガン性があり、老化の原因物質ともいわれる活性酸素を発生させかねない。
このように、いろいろ不安点を指摘されるようになりました。
ちなみに、リノール酸は、べに花油や大豆油、綿実油、コーン油などにたくさん含まれています。
Contents
代わって脚光を浴びているのが「オレイン酸」
オリーブ油にとても多い成分です。
料理にオリーブ油を使う地中海沿岸地方の人には動脈硬化が少ない。
イタリア料理などは、どれもこれも脂肪たっぷりなのに。
その秘密がオレイン酸にあるらしいことがわかってきました。
しかも、何度使っても酸化しないのです。
「α-リノレイン酸」も注目されています。
脳の働きに関係するDHA、脳梗塞や心筋梗塞などを予防するEPAをつくる働きがあるというのです。
ところが、オレイン酸も、研究が進むにつれて、やはり健康への害が指摘されてきました。
油は何ごとも使い方におけるバランスが大事!厚生労働省の特定保健用食品の植物油
そこで登場してきたのが「機能性植物油」。
ヘルシーなイメージが強い植物油、リノール酸、オレイン酸、α-リノレイン酸に、厚生省の指針に基づく割合で脂肪酸を配合した植物油です。
また、「体に脂肪がつきにくい」植物油が、厚生労働省の特定保健用食品の指定を受け、肥満や生活習慣病の予防に役立つとして売りだされました。
このほか、「においがつきにくい油」「台所の汚れが六分の一になる油」など、使いやすさを売りものにした植物油も出回っています。
しかし、これらの原材料のほとんどが、大豆、なたね、コーンなので、国内産100パーセントとうたっているもの以外は遺伝子組み換えの不安が残ります。
食用植物油を生で使うなら、熱に弱いリノール酸含有率の高い油でもかまいませんが、揚げたり、炒めたりして使うなら、オレイン酸含有率が高い「オリーブ油」「新べに花油(オレイン酸を高くした油)」「米ぬか油」「なたね油」などがよいでしょう。
また、「ごま油」もセサミノールという成分が熱による酸化を防ぐので、揚げ油に適しています。