最近、朝立ちが減った人、ここに気をつけよう！
50代からは、いわゆる『朝立ち』も体調チェックの目安に加えたい。
朝立ちの消失(ED)の背後には、「血管障害」が隠れているからだ。
生活習慣病には、NO(一酸化窒素)が大きく関与している。
NOは血管を拡張し、血液を増加させ、血圧を下げる役割をする。
循環器に対する作用のほか、気管を拡張させたり、胃壁を守ったり、腎臓の利尿作用も調節するなど、あらゆる器官に影響を及ぼしている。
このNOの不足が、勃起に大きく関わってくる。
NOは、神経や血管内皮でアミノ酸のアルギニンからNO合成酵素としてつくられる。
ところが、体内に活性酸素が増えて酸化ストレスにみまわれると、血管内皮や神経が傷つけられ、NOが減少してしまう。
その結果、高血圧、動脈硬化、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、EDなどさまざまな病態が発生することになる。
とくにペニスでは、海綿体平滑筋の弛緩が十分でないために、勃起が十分できず持続しなくなる。
勃起を起こす陰茎動脈は、心臓の冠動脈や内頸動脈よりも内径がかなり狭いため、動脈硬化の影響は、まず陰茎動脈から起こってくる。
EDは動脈硬化で生じる最初の血管病ということだ。
それが重症な場合は、やがてさらに太い血管が詰まり、将来、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管、脳血管イベントを起こす危険性がある。
EDになる原因のもうひとつは、男性ホルモンの減少である。
男性ホルモンは、神経や血管に作用し、NOや、「サイクリックGMP」という細胞内信号伝達物質を産生し、勃起を促す。
したがって男性ホルモンが減少すると性欲が減少し、EDになってしまう。
EDは、生活習慣病が発生していることを示す警告であり、男性ホルモン値が低下したことを示すサインのひとつだ。
だから、朝立ちをしなくなってきたら、生活習慣を見直す契機にしよう。
元気な男の終焉（しゅうえん）を告げるのではなく、もう一度、若さと健康を取り戻す考えをするべきである。
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