残業しても「疲れ」がたまらない人、たまる人
忙しいとき、疲れているとき、ふと頭を横切るのが「手抜きの誘惑」ではないでしょうか。
ここで少し手を抜けば、その分だけ早く仕上がるし、ラクができる。
ラクができれば、体力、知力を回復できるから、その後の仕事に万全でのぞめる。
結果的に少し手抜きをしたほうがうまくいくのではないかと、身勝手な屁理屈が頭の中に浮かんできます。
けれども、そうはうまくいかないのが世の常。
手抜きをすると、逆に疲れを強く感じてしまい、あとの仕事にも悪影響を及ぼしやすいのです。
手抜きが人を疲れやすくするのは、そこに満足感が欠落しているからです。
忙しくても徹夜をしてなんとか間に合わせたなら達成感を感じるでしょう。
しかし、忙しいのがイヤだったり、疲れていてラクをしたいという気持ちから手抜きを行なえば、たとえ時間に間に合ったとしても満足感は生まれません。
むしろ、「手抜き仕事をしてしまった」という後悔の気持ちさえ生まれてしまうでしょう。
当然のことながら、脳が不快な気持ちにさらされ続けますから、ドーパミンが分泌されることもありません。
そのため、さして仕事をしていないはずなのに、いつもより疲れを感じてしまうことになるのです。
そんな疲れた気持ちで仕事をすれば、能率も悪くなっていきます。
ここでふたたび手抜きの誘惑に駆られると、信用を失うという最悪の結果を招きかねません。
忙しいとき、どれほど疲れていても、安易に手抜きの誘惑に乗ってはいけません。
こんなときは、いままでの仕事を振り返って、肯定的に自分を評価してみることです。
「忙しい中、よくやっているじゃないか」
「なんだかんだ言いながら、頑張っている」
と考えることができれば、脳は満足感を覚えます。
すると、これまでの忙しさもべつの見方ができるようになるはずです。
「いままでもできたのだから、これくらいの忙しさには対応できる」という気持ちにもなれるでしょう。
そのように気持ちを切り替えることができれば、それほど疲れを感じることはありません。
忙しさを乗り越えて仕事をやり遂げれば、そこには大きな達成感があり、満足感があります。
それを実感することができれば、あなたの仕事のスキルは一段とレベルアップすいるはずですし、疲れをためこまない体質に近づくことができるのです。