上司と自分の立場は難しいもの部下から嫌われたり好かれたり尊敬されたり批判を食らったり。
いきなり結論を下してしまうと、誰からもほめられる上司などどこにもいない。
組織が大きくなればなるほど、また、たくさんの部下をかかえればかかえるほどいろんな考えの人間が集まってくる。
正反対の性格、正反対のやり方をする人もいるだろう。
それだけたくさんの不満が渦巻くことになる。
たくさんの部下をかかえる実力のある上司は、多くの不満の渦中にあり、非離されることもまた多い。
あちらを立てれば、こちらが立たず。
あの不満を解消してやれば、別の不満が出てくる。
理想の上司を求め、毎日を鬱々としている人にいいたい。
あなたの不満がどれだけ正当なものか、一度、自分を上司の立場に置いて考えてみるといい。
自分が上司になったとき、みごとにその部署の全員に尊敬される自信のある人は、おそらくいないのではないか。
もしも、自分なら絶対にできる、と思う人がいたら、その人は、その自信過剰こそが原因で、みんなに嫌われるにちがいない。
理想の上司などどこにもいないのだ。
だから、いまの上司の長所を見つけ、その人の部下であるメリットを最大限生かし、精いっぱいの成果をあげるしかない。
それができれば、有能な部下のひとりとして立派に仕事に参加できるだろう。
上司からもそれなりに愛され、引き立ててもらえるに違いない。
しかし、それだけですべてうまくいくかというと、そうでもないところが人間関係のむずかしいところだ。
そんなあなたを批判する同僚が必ずいるからである。
「あいつひとりがいい子になって 。おべんちゃらいって気に入られやがって」
尽きることのない人間関係のしがらみ。
だから、「みんなから好かれなくてもいい!」と、どこかで開き直ることも必要だろう。
といっても、開き直って周囲をかえりみなくなっては唯我独尊(ゆいがどくそん:この世で、自分ほど偉いものはいないとうぬぼれること。)ではじき飛ばされる。
やはり、悩みつつも、少しでも多くの味方を得るよう努力を続けるしかない。
自分は、つき合う相手にとって好かれる人間か、嫌われる人間か。
ときには、そんなことをしっかり考える謙虚な気持ちが大切なのである。