ここ一番のの勝負どころでプレッシャーに押しつぶされそうなとき、日々のストレスに負けそうになったとき、単純に食べすぎちゃったとき。
人はお腹に手を当てて、イテテと顔をしかめる。
胃の3大機能のひとつは、知覚すること。
シクシク痛んだり、キュ~ッと縮んだり、灼けるように熱かったり、どよーんと重かったり。
胃にはいろいろな感覚を感じ取る能力がある。
知覚神経がほとんど通っていない肝臓は、結構なダメージを受けてもしっと耐え続ける。
自覚症状が出たときはすでに手遅れ。
沈黙の臓器と呼ばれる所以だ。
それとは対照的に、胃はそんな状態になるまで大人しく黙っちゃいない。
胸やけに胃もたれ、胃痛に膨満感。
胃の症状は他の臓器に比べても、実にバラエティ豊か。
なので、市販の胃薬もそれだけ選択肢が多い。
しかも胃はスレスの影響をとくに受けやす い臓器でもある。
胃と脳は兄弟関係といわれるほど親密で、兄の脳がストレスを感じることで弟の胃に病気が生じることも少なくない。
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症状はさまざまだが、問題は強すぎる胃酸?
痛む部位や症状などから疑われる主な病気は下の『胃の主な症状・疑われる病気と病状について』通り。
確かに症状も部位もさまざま。
ところが、胃の不快な症状は、胃酸を抑える薬を服用することで改善されることが多いのです。
草や虫や生肉を食べたりしていた昔は、これらを消化するために強力な胃酸が必要でした。
しかし、現在の食生活では調理された消化のいいものを口にすることが多い。
それほど強力な胃酸は必要ないのかもしれません。
それどころか胃酸の過剰分泌で、本来の役割ではなく不快な症状を招いてしまうことが少なくないのです。
未調理のものを消化吸収するためには、それなりに強力な胃酸が必要。
今はそれが逆に仇になっているかもしれないというこの矛盾。
ともあれ、痛みや不快な症状があるときは、決してやり過ごさないこと。
胃は敏感にサイレンを鳴らしている。
その警報に耳を傾けて対処をする必要があるのです。
胃の主な症状・疑われる病気と病状について
★胸やけがする
●胃食道逆流症・・・胃酸が胃から食道へ逆流する
●食道潰癌・・・食道の上皮が欠損する
●食道裂孔ヘルニア・・・胃の一部が胸腔に脱出
★喉がつかえるような気がする
●食道がん・・・食道の悪性腫場
●食道アカラシア・・・食道の蠕動運動(ぜんどううんどう)の障害
★空腹時に胃が痛む
●胃潰蕩・・・胃の粘膜の欠損
●十二指腸漬場・・・十二指腸の粘膜の欠損
★食後に胃が痛む
●胃潰蕩・・・胃の粘膜の欠損
★胃がもたれる
●神経性胃炎・・・ストレスによる胃の炎症
★食欲がない
●胃潰蕩・・・胃の粘膜の欠損
●十二指腸漬場・・・十二指腸の粘膜の欠損
●胃がん・・・胃の悪性腫場
★吐血・下血・血便
●胃潰蕩・・・胃の粘膜の欠損
●十二指腸漬場・・・十二指腸の粘膜の欠損
●胃食道逆流症・・・胃酸が胃から食道へ逆流する
●急性胃粘膜病変・・・急性の潰蕩、炎症、びらん
●食道・胃・十二指腸びらん・・・消化管の粘膜表面の欠損