腰痛予防にぜひ食べたい『ゼリー』はゼラチン、寒天、どちらでつくる?
ゼリーをつくる材料としては寒天とゼラチンがあるが、おやつにゼリーをつくるときはゼラチンを使った方が栄養的にプラスになる。
寒天は早く固まりやすいが、寒天の材料は海藻なので、ほとんど消化吸収されない炭水化物でできている。
ダイエット用にはよいかもしれないが、子どもや老人などには、ゼラチンでつくる方がいいだろうというのは、ゼラチンの主成分はタンパク質だからである。
ゼラチンは固めるのに時間がかかるが、口当たりは寒天よりなめらかである。
ゼラチンは、コラーゲンという固いタンパク質からできているが、コラーゲンは免疫性を高める働きをもっている。
免疫性が高まると、風邪などの病気にかかりにくくなり、また、かかっても治りやすくなる。
ガンに対しても抵抗性をもつといわれているし、潰瘍(かいよう)に対しても保護作用がある。
コラーゲンは、豚皮などの固いタンパク質を水で煮ることによって取り出すことができる。
このコラーゲンを、水で長時間煮ていると変化してゼラチンになる。
また、コラーゲンは骨にも多い。
骨つきの鶏肉を長時間煮たり、十分に蒸してから冷やしたりすると、ゼリー状の煮こごりができるのも、皮や骨からゼラチンができるためである。
なお、骨が簡単に折れないのは、この固いタンパク質であるコラーゲンのおかげなのである。
ところで、ゼラチンゼリーをつくるとき甘味をつけるのに、砂糖はカロリーを増やすだけで栄養効果は期待できないので、できるだけ避けるようにしたい。
それよりも、カリウムやビタミンCを補給できる100%果汁を使うことをおすすめする。
リンゴやブドウ、パイナップルなどいろいろあるが、とくにリンゴやプドウは甘味が相当に強い。
それに牛乳、ヨーグルト、フルーツなどを加えてゼリーをつくれば、さらに栄養的に優れ、味のよいおやつになる。
寒いときでも近年は暖房がきいているから冷たい口当たりのゼラチンゼリーはおいしいものである。
ただし、パイナップル、パパイア、イチジク、キウイなどを生で加えるとゼリーは固まらない。
これらの果物には、タンパク質を分解する酵素が含まれているからだ。
そこで、これらの果物は、缶詰語めを利用したり、一度煮て酵素を殺したりしてからゼリーに加えなければならない。
中国では阿騰というコラーゲン主体の漢方薬がある。
これは抗潰瘍性の効用がうたわれているが、実際に、コラーゲンを酵素である程度分解したペプチドは、胃潰瘍に対して保護作用が強い。
また、コラーゲンは関節などの柔軟性を保つ働きがある。
年齢が高くなると、関節のコラーゲンが減り、腰痛などが起こりがちだが、ゼラチンゼリーを食べることで腰痛の防止にも役立つ。
そこで、デザートやおやつに取り入れたり、オードブルにゼリー寄せをつくるなど、食べ方も工夫したいものである。