頭の中だけで挫折している人が多すぎる!
「こんな会社、いつでも辞めてやる」
「早く辞めたい。もうこんな会社はがまんできない」
酒場で、こんなオダを頻繁にあげている人は、なかなか会社を辞めないものである。
「再就職したいけど、三十歳過ぎの子持ちじゃねえ」
「資格を取りたいけど、子供がいると時間がなくって」
と自己弁護する人も、再就職したり資格試験を受けたりはしないものだ。
なぜかといえば、いろいろな障害に立ち向かうことから逃げているからである。
現状は満足ではないけれども、現状よりもつらい思いはしたくない。
こういう人たちは、努力すれば絶対に道が開けるわけでもないのにリスクを背負うのがイヤだし、めんどうなのである。
ひとことでいえば、いろいろ考えすぎる人である。
転職を考えながら、一方で、
「いい就職先が見つかるだろうか。中途採用だと出世できないんじゃないだろうか」
「人間関係がうまくいくだろうか。結局、どこの会社も同じなんじゃ」
などと考えている。
しかも、自分の目で見たり、自分の足で情報を集めたりするのではなく、人の意見や風潮に惑わされている。
そして、「せっかく転職した会社が倒産するかも」などと、何の根拠もない妄想を膨らませて不安になっている。
何かをしようというときに、いつも、うまくいかない理由ばかりを集めるのがクセになっている。
まあ、そういうクセがついてしまったのならしかたもないが、それなら同時に、うまくいく理由も同じぐらい集めてみたらいいではないか。
自分でなんだかんだと理由をつけて、結局、何もしないで、自分の頭の中で勝手に挫折しているのである。
そんな人が自分の過去や家庭や世間を恨むようになるのではないのだろうか。
二十年もかけて、せっかく大人になったのである。
もっといいことも想像しようではないか。