頭にしっかり書き込む『記憶のメモ術』
「いい脳波」「いい右脳」をつくる!
こんなにも記憶の容量を持っているのに、どうして私たちは映画の主人公の名前を忘れたり、大事な会議の日時を忘れたりするのでしょうか?
パソコンでは、画面上のゴミ箱にデータを入れて、さらにゴミ箱をからにしてし
まうと、データは完全に消去されてしまいます。
逆にいえば、ゴミ箱をからにしないかぎり、データはパソコン上のどこかに存在しているということです。
しかし、ヒトの脳には「ゴミ箱」などというものは存在しません。
それなのに、捨てたつもりのないデータ(記憶)がなくなってしまいます。
いわゆる「もの忘れ」「ど忘れ」です。
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「もの忘れ」になるしくみについて
記憶のメカニズムを思い出しながら、「もの忘れ」のしくみについて見てみることにしましょう。
視覚や聴覚などの感覚器官から入ってきた情報や、頭の中で考えた情報は、脳の海馬を通って記憶となります。
情報といっても、それは言葉や映像のように形あるものではなく、ある種の刺激として脳の神経細胞は受け取ります。
ただ、短期記憶として固定される前に、余計な刺激が加わると、情報は記憶されにくく(忘れやすく)なります。
余計な刺激とは、突然の電話や来客、テレビの音など、外部からの刺激の場合もありますし、「どうせ覚えられない」とか「早く終わらせて遊びに行きたい」などといった雑念も余計な刺激といえます。
「ながら勉強」や「いやいや覚えたこと」が頭に入らないのは、科学的な根拠があるのです。
そして、短期記憶として固定されても、すべてが長期記憶に変わるわけではありません。
長期記憶としてしっかり固定されるためには、記憶の回路を繰り返し使う必要があります。
繰り返し使うというのは、繰り返し思い出すということです。
同じ記憶を何度も思い出していると、その記憶に関わるシナプスの量が増え、一本一本のシナプスも大きく太くなっていきます。
こうして、記憶の回路の流れが強固になっていくわけです。
しかし、あまり思い出さない記憶に関しては、信号の流れがだんだん曖昧になり、やがて回路には信号が流れなくなってしまいます。
つまり、忘れてしまうのです。
学生時代に必死で覚えたことが忘れてしまう
学生時代に苦労して覚えた数式や化学式、英単語のつづりや歴史の年号などは、卒業してしばらくするとほとんど忘れてしまいます。
実際に使うことも、思い出すこともなかった記憶は、強固な長期記憶にはなれなかったということです。
当時、あれほど必死に勉強して、「覚えたつもり」になっていた記憶でさえ、「使わなければ忘れるものなのです。
まとめ
大切な情報は一度聞いて覚えたつもりになるのではなく、メモに書くなどして、繰り返しその記憶の回路を使うことで、「もの忘れ」を防ぐことができます。