通風の原因はプリン体というのは、みなさんご存知でしょうか?
よく、毎日お酒を飲み過ぎると痛風になることは、聞いたことがあるのではないでしょうか。
「プリン体」は痛風の原因である尿酸の元となる物質です。
当然、お酒にはプリン体が存在し含まれています。
ほとんどのお酒に含まれているプリン体。
そのお酒にはどれくらい含まれているのか見てみましょう。
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アルコール飲料100mlあたりのプリン体の含有量(mg)
- 紹興酒 11.6
- 地ビール 11.4(13ブランド、5.8〜16.6の平均)
- 低アルコールビール 7.1(4ブランド、2.8〜13.0の平均)
- ビール 5.3(7ブランド、3.3〜6.9の平均)
- 発泡酒 3.4(6ブランド、2.8〜3.9の平均)
- ビールテイスト飲料 1.3
- 日本酒 1.2
- ワイン 0.4
- ウイスキー 0.1
- 発泡酒 0.1(プリン体カット)
- 焼酎25% 0.0
プリン体ゼロのビールの落とし穴とは?
実はプリン体ゼロのビールをたくさん飲んでも大丈夫という、とんでもない落とし穴があるのです。
アルコールには、体内の尿酸量を増加させる作用があります。プリン体の少ないアルコール飲料を選ぶことは間違いではありません。けれども、アルコールの摂取量自体を少なくする方が、より確実に尿酸値を下げることにつながります。
アルコール飲料に含まれるプリン体は、アルコールと共に素早く吸収されて尿酸に変わることに加え、アルコールが分解される際には尿酸の排泄を妨げる物質も作られるため、さらに尿酸が溜まりやすくなります。
よってたくさん飲んでしまうと痛風への近道に届いてしまうのです。
プリン体の摂取量について
『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』には『生活指導』の中に食事療法、特に『1日400mgを目安にしたプリン体の摂取制限』が示されています。
食事から摂取されるプリン体は体内で最終的に尿酸に代謝されて尿酸プールを増大させます。
そのため、肉や魚介類をたくさん食べると痛風になりやすいことが知られています。
また、アルコール飲料では、含まれるプリン体量はあまり多くはありませんが、アルコールの作用が加わって尿酸値が上昇します。
お酒を毎日飲む人は痛風の危険度が2倍で、特にビールを飲む人の危険度が高いと報告されています。
通風の原因はプリン体!酒と一緒に摂取してはいけない食べ物とは?
50〜60年前、高度経済成長の前は、日本の食事は質素でカロリーも低いため、尿酸値が高くなったり、痛風になったりする人はあまりいませんでした。
しかし、経済の成長とともに、食事事情が変化し、高カロリーのものを食べる機会が増えました。
結果的に痛風患者が多くなり、贅沢品=プリン体という、誤ったイメージが定着してしまったのです。
それでは、どんな食品にプリン体が多く含まれているのでしょうか。
代表的な食べ物をまとめてみました。
- 煮干し 746.1mg
- 鰹節 493.3mg、
- エビ 273.2mg
- マイワシ 210.4mg
- カツオ 211.4mg
- 白子 305.5mg
- サンマの干物 208.8mg
- イワシの干物 305.7mg
- アジの干物 245.8mg
- 干しエビ 225.7mg
- 干し椎茸 379.5mg
- 鶏レバー 312.2mg
- 豚レバー 284.8mg
- 牛レバー 219.8mg
乾物のプリン体はとても高いです
乾燥によって細胞がぎゅっと濃縮されているため、乾物のプリン体はとても高いです。
乾物を直接食べることはないのですが、日本人はみそ汁や煮物で出汁をとるので、気が付かないうちにプリン体をとっています。
プリン体は多めですが、出汁にはほかの有効な栄養素も含まれているので、それだけを気にするのではなく、バランスが大切です。
野菜や海藻類などのミネラル分なども一緒にとるようにしてくださいね。
ちなみに、お寿司のネタとなる魚介類はどうでしょうか。
一貫あたりのプリン体の量は下記の通りです。
- カツオ 25.7mg
- サーモン 23.7mg
- マアジ 21.7mg
- マグロ 19.7mg
- サンマ 20.7mg
- イカ 20.7mg
- タコ 18.7mg
- ウニ 17.7mg
- マダイ 17.7mg
- エンガワ 17.7mg
- ハマチ 16.7mg
- いくら 8.7mg
例えば、ウニのプリン体。
上の表でも真ん中ぐらいの順位なのですが、実はちょっと気をつけて欲しいことがあるのです。
それはウニが、ほぼ卵巣や精巣でできているということです。
精巣や卵巣は、新しい命を作る器官のため、たくさんの細胞核があります。
そして、その細胞核を食べ物として摂り入れた際に、細胞核が分解されるときに大量の尿酸を作り出すのが大きな問題になります。
この大量の尿酸が痛風などの原因になるからです。
他のプリン体を含む食べ物よりも、食べ過ぎには注意が必要だと覚えておきましょう。
まとめ
お寿司だけでなく、食事とお酒はとても楽しいひと時なのですが、毎日のことになるとプリン体の摂取がオーバーになり、それが蓄積されるので、もちろん痛風と隣り合わせになります。
いつ発症するか、突然、激しい痛みを生じることになります。
プリン体は美味しいものに多く含まれます。
プリン体だけを減らすのは難しいので、食事量を全体的に減らして、その中に美味しいものを少し入れると良いでしょう。
プリン体を制限しすぎて栄養失調になった例もありますので、あまり制限せず『食べ過ぎ・飲み過ぎを避け、美味しいものを適量食べて、適度な運動をし、ストレスを減らす』生活が奨められます。
摂取はほどほどに、食べ物とお酒の組み合わせの摂り過ぎには注意しましょう!