40歳は特に、甘いものの摂取には気をつけてもらいたいものです。
そしてなによりも、代謝のいい体をつくることが若さと健康の秘訣です。
ここ数年、主食のごはんやパンなど、糖質の摂取量を減らすダイエット法を実践する人が増えています。
ダイエットとなると極端に走りやすく、ごはん、パンはいっさい口にしない、という人も少なくありません。
たしかに、体重が減ったり、体脂肪が減ってお腹がへこんだりといった効果が早く表れる魅力があります。
糖は脳や体の最大のエネルギー源ですが、近年、糖質を十分に摂らなくても、体内の脂肪からケトン体という代わりのエネルギー源がつくられることがわかってきました。
しかし、糖質を極端に減らすのは注意が必要です。
糖質を摂らずに短期間で急激に体重を減らすと、体は脂肪だけでなく筋肉のたんぱく質から糖をつくろうとします。
そのため、筋肉量が減って基礎代謝も落ちてしまいます。
エネルギーは、おもに筋肉で使われます。筋肉量が多ければ、エネルギーの消費能力は大きく、筋肉を使えば使うほどエネルギーはどんどんつくられます。
筋肉が減るとその分、体脂肪に置き換えられます。
重さが同じなら、体脂肪の体積は筋肉よりも2割ほど多く、かえって肥満体型になってしまいます。
せっかく糖質を制限して減量の成果を見ても、ダイエット後に体脂肪が増える悪循環に陥りやすいのです。
と同時に、代謝も落ちますから老化が進んでいきます。
ダイエット目的でなく、血糖値コントロールのための糖質制限でも同じです。
健康に害がないよう配慮しつつ、糖質摂取のコントロールをすることが大切です。
しかし、主食のごはんやパンは制限できても、とくに女性は甘いものの間食をやめるのはむずかしいものです。
主食を制限すれば、空腹を感じることが多くなります。
ケーキや和菓子などの甘いものについ手が伸びてしまうでしょう。
気をつけなければならないのは、ケーキや菓子類に使われる白い砂糖は、血糖値を急激に上げる食材だということ。
急上昇した血糖値は、大量のインスリン分泌で急降下します。
しかし、こんどは低血糖になり、脳は飢えと勘違いをして、さらに糖分を欲しがるようになるのです。
砂糖を摂ると、「快楽ホルモン」と呼ばれるドーパミンという物質が脳内に放出され、脳が快感を覚えます。
この快感を求め、中毒のようにますます甘いものが食べたくなります。
これが、間食の大きな原因のひとつです。
間食で甘いものが欲しくなるのは、そもそも食事で糖質が不足しているからです。
糖質の摂り方については注意が必要です。
とはいえ、栄養成分表と首っ引きになる必要はありません。
「済陽式食習慣」の基本ルールで示したように、たとえばごはんなら「1食1膳」が適量です。
糖質の過剰摂取はたしかに健康を害しますが、だからといってごはんやパン、甘いものをやめたり減らしたりすればよい、というものではありません。
糖質との上手なつきあい方が、健康寿命を延ばす鍵になる、そう肝に銘じていただきたいものです。