男50代「年を取るメリット」をフル活用する
50代から「若い体」を取り戻すのは、脳の働きから考えても合理的だ。
じつは、脳の働き方自体、若いころと中年以降では変化するからだ。
脳の神経細胞(ニューロン)は20歳をすぎたころから、毎日10万個単位で死滅すると言われている。
ところが、情報を伝える働きを持つ神経回路・シナプスの数は、むしろ年齢を重ねるごとに増えていくのだ。
そして、ニューロン・ネットワークという神経細胞のつながりをどんどん強化していってくれる。
この神経回路を活発にしていけば、減少する脳細胞を補ってくれる。
これまで個別に学んできた知識や情報が、神経細胞のつながりによってネットワーク化され、「新しい価値」を持つのだ。
これが、「年を取るメリット」である。
ところが、残念なことに、みな、若いころと同じ研ぎすまされた頭脳による判断力や決断力を求めるあまり、自分自身の価値を見失いがちだ。
人の脳は、日々のルーティンワークなど、すでに頭に入っているものからは新しい刺激を受けにくくなる。
だからこそ、50代になったら、若いときよりもさらに、視覚、聴覚、喫覚、触覚、味覚などの「五感」を刺激し、そこから豊富な情報を入力し、神経細胞のつながりを活発化させなくてはならない。
もちろん、食事で脳の栄養となるタンパク質や脂質をたっぷり摂ることも大事だ。
ウォーキングや旅行は、この五感を研ぎすますのに最も効果的と言える。
これまで見たことや行ったことがない自然の風景、風物や、そこでの人々との交流では予想外のことが起こり、五感への最高の刺激となる。
歩きながら、雲の動きや風の香り、鳥の声、本々の葉の季節による移り変わりなど、五感を研ぎすましながら歩くと、脳に大量の情報が送り込まれる。
そして自然のみならず、さまざまな人に会い、その人とのこれまでにないコミュニケーションから新しい情報や価値観を入手できる。
五感で集めた情報は、日記や手紙、インターネットのプログなどで積極的にアウトプットしてみる。
俳句や詩、エッセーにしてもいい。
受けた刺激を言葉で表現することにより、感覚情報を論理的思考に改めることができ、さらに脳は鍛えられる。
もちろん、そのアウトプットにより、さらに広範囲な人々とのつながりができるのも、インターネット時代の恩恵である。
情報というものは、自分からアウトプットすると、ほかからも入ってくるものだ。
発信する情報をたくさん持っている人のところに情報が集まるのだ。
いい情報が集まれば、あなたの人生はより豊かになるのである。