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なぜ「嗅覚」がいい人は記憶力がいいのか

幼い頃から今にかけて、匂いを嗅いだものは忘れませんよね。

これ嗅いだらいい匂い、クサイ、など判別することができます。

記憶の連想は、言葉や出来事だけでなく、感覚にもよく反応します。

真夏の暑い日に、空調の効いていない閉めきった部屋に入ると、「まるでサウナみたいだな」と思わずいってしまうのは、「暑いという感覚」「サウナの記憶」を連想させているのです。

また、電気ドリルの「ウイィン」という音を聞いただけで歯医者を思い出し、なんとなく歯がムズムズしてくることがあります。

そして、感覚の中でもっとも記憶と強く結びついているのが「匂い」です。

むかしの恋人がつけていた香水の香り、花火の火薬の匂い、雨の日に漂う土や草の匂い・・・。

匂いはしばしば、私たちをもの思いにふけらせます。

懐かしい記憶が走馬灯のように脳裏を横切ることもあれば、具体的な映像として思い出されるわけでもないのに、当時の感情だけがまざまざとよみがえることもあります。

ヒトは約1万種類の匂いを感じることができるといわれていますが、あらゆる匂いは、記憶をよみがえらせる引き金になります。

 

記憶と匂いはどのようにしてつながっているのでしょうか。

私たちが匂いを認識するときは、まず鼻腔(鼻の穴)の奥の嗅(きゅう)細胞が匂いの分子をとらえます。

ちなみに、ヒトの嗅細胞は2000万-5000万個であるのに対して、イヌには1億-2億個あるといわれ、当然のことながらイヌはその分すぐれた嗅覚を持っています。

嗅細胞がとらえた匂いは、電気信号に変えられ、嗅神経を通って嗅球(きゅう)という器官に運ばれます。

この嗅球は、感情や本能を司る大脳辺縁系や記憶と関係する脳の海馬と強く結びついており、匂いと匂いにともなう出来事や感情はセットになって記憶されるわけです。

アルツハイマー病の患者さんでは、記憶といっしょに嗅覚を失うことがあります。

記憶と匂いは強く結ばれているため、記憶がしだいに失われていくと、その記憶に関係する匂いまでわからなくなってしまうのです。

一方で、匂いが記憶力を高めるという研究もされています。

カナダのビショップ大学では、子どもたちにジャスミンの香水をかがせながら、単語を覚えさせる実験をしました。

後日、ジャスミンとそれ以外の香りをかがせながらテストをしたところ、ジャスミンの香りのほうが結果がよいことがわかりました。

匂いは、懐かしい思い出などのエピソード記憶だけでなく、単語や数字などの意味記憶にも十分に反応するわけです。

試験のときなどは、ふだん勉強するときに使っていた香りつきの消しゴムや、お気に入りの香水を持参していくと、よい結果を得られるかもしれません。

 

ちょっと面白いドラマを紹介します

阿部寛さん主演のドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官 』

刑事ドラマで人間離れした嗅覚をもった阿部寛が役する刑事が、匂いであらゆる事件を解決していくドラマです。

事件現場で匂いを嗅げば、その事件の真相が幻想となって蘇り解決をしてしまう、匂いと記憶を最大限に能力を使ったおもしろいドラマです。共演は香川照之が役する刑事が相棒で可笑しく楽しくいい感じに仕上がっています。

まだ見ていない方には、ぜひおすすめです!

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