突き詰めて考えすぎると、かえって心が乱れる

「よく考えてみることは大切だが、あまり突き詰めて考えていけない」ということをモットーにすることも、動じない心で生きていくためのコツになります。

 

たとえば、知り合いにプレゼントを贈ることにしたとしましょう。

「どういうプレゼントをすれば、あの人に喜んでもらえるだろうか」と考えることは大切なことだと思います。

ただし、「これをプレゼントすることが、本当にいいことなのか。もしかしたら、相手にとって悪いことになるのではないか」と、突き詰めて考えすぎると、迷いが生じて心が乱れ、何をプレゼントにしたらいいのかわからなくなってしまいます。

 

自分が着る洋服を選ぶときも同様です。

「どの洋服を選べば、自分がもっともきれいに見えるか」を、よく考えて洋服を選ぶのは、いいことだと思います。

しかし「目上の人に会いにいくときは、どの洋服を選ぶのが正しいのか。間違った洋服を選ばないためにはどうするか」ということについて突き詰めて考えすぎてしまうと、やはり迷いが生じて心が乱れ、たくさんの洋服の中から一着の洋服を選び出すのがむずかしくなるのではないでしょうか。

 

人生には、この例と同じようなことがたくさんあります。

仕事にしても、人間関係にしても、勉強にしても、夢や願望を追い求めていくことにしても、「よく考えて行動する」ことは大切なのですが、「あまり突き詰めて考えすぎる」と、かえって迷いや心の乱れから、何をしたらいいのかわからなくなってしまうのです。

 

じつは人生には、「これが絶対に正しい答えだ」ということなどありません。

そのことをよく理解して、「よく考える。しかし、考えすぎない」という、ちょうどいいバランスを保ちながら生きていくことが大切です。