努カしない人間関係に、花や実はつかない

バラでも菊でも、手をかければかけるほど美しく大きな花が咲く。

自分は何もしないのに、人との出会いに恵まれないと嘆く人はなにか勘違いをしていると言っていいだろう。

たしかに、心から信頼できる友人を得るのはなかなか難しい。

ただ、人は星の数ほどいるのだから、ウマがあう人を得るチャンスは、それこそ無限にある。

だが、数の上では多くの人たちとの出会いはあるが、その中で本当の親友になれる人は、ごく少人数に限られる。

だからといって、自分には絶対に本当の友人はできないものだと決めてかかるのもよくない。

今言ったように、友人は雑草のように何の手を加えなくても自然に生えてくるものではない。

植物ですら、自分で種をまいて、水をやり、肥料をやらねば、立派な花をつけてくれない。

それと同じで、努力しないところに人間関係は花も実もつかない。

 

友人を得るということも、本人の努力が必要だ。

では、どんな努力をすればいいかというと、やはり人が多く集まる場所に出かけて、多くの人と話をするのが早道だ。

あるいは、今、自分がいる周囲の人間関係を見直して、誰かともっと親しくなれないかと考えるのもいいだろう。

ただし、注意したいのは、嫌いな人と仕事をしたり、つきあうときになりがちなことだが、感情をあまり入れないで、ビジネスライクにやりすぎてしまうことが多いということだ。

「これをいつまでにやってほしい」ではなく、「お忙しいでしょうけどいつまでにお願いできると大変助かります」というだけで、相手のあなたに対する印象は大いにちがうはずだ。

つまり、自分中心ではなく、相手中心で考えたい。

自己中心的な考え方では、なかなか人の心をつかむことはできない。

自分の利益やプライドを守ることはもちろん必要だが、一緒にいる相手のことをまったく考えに入れないで行動することはできない。

 

残業続きの同僚がいたとしたら自分のやることは終わっているから、さっさと帰ってもいいではないか、という理屈もあろうが、帰るとき一言 「何か手伝うことある?」と声をかけてあげるだけで、単にあいさつ代わりとわかっていても、相手は感激するものだ。

あくまでも会社は共同作業の場であるという認識を持つことである。

そうした他人への思いやりが、結局は、あなたが他人から理解される道 へとつながっていくのである。