「ふくらはぎをもむ」と頭も体もスッキリ

一日中、座っていると健康に悪いことはわかっていても、物書きやデスクワークの人間は座って仕事をしないわけにもいかない。

しかし、それまで机にかじりついて仕事をしていた人に、いきなりトレーニングウェアを着てジョギングで汗をかけと言っても無理だし、急に始めるとかえって体業に負担がかかるだけだ。

そこで、座っていてもできる健康法がある。

たとえば、「鼻呼吸」だ。

これは、鼻から空気を吸い、鼻から出すものだ。

口で呼吸をすると、乾いた冷たい空気が直接、肺に入り、体を冷やしてしまって全身の血流が低下していく。

だが、鼻から呼吸すると、鼻で加湿された空気が肺に入り、体を冷やさずに全身の血流がよくなる。

その結果、免疫力や基礎代謝の向上にもつながるというわけである。

考えてみたら、生きている以上、毎日呼吸しているわけだから、それを運動に変えるチャンスはいくらでもあるのだ。

深呼吸とともに行なうとよいのが、「足の指先運動」だ。

座ったままでいいので外股にし、息を吸いながらつま先を4秒開く。

今度は内股にして、息を吐きながら4秒つま先を開く。

立ち上がってやる場合、両足を外側に向けて深く息を吸う。

そして、息を深く吐くと同時に、両足を内側にける。

息を吸った後に、いったん止めて、今度はゆっくりと倍ぐらい時間をかけて息を吐いていくといい。

また、座ったまま長時間作業を続けると、ふくらはぎの筋肉が収縮し、血流が悪くなる。

私たちの体は、心臓から送り出された血液が動脈を通って、体の隅々にある毛細血管へと栄養や酸素を運び込む。

このとき、血液成分の一部が血管外にしみ出して皮下の細胞組織に栄養分を補給するとともに、二酸化炭素と老廃物を取り込んで静脈に入り、心臓に送られてくる。

このとき、心臓がポンプとなって動脈血を送り出すが、戻ってくる静脈のポンプは何かご存じだろうか。

ふくらはぎの筋肉だ。

すなわち、ふくらはぎの筋肉を鍛えることで、心臓に送り戻される静脈の力が強くなり、血流がよくなるのだ。

デスクワークが続いたら、時々立ち上がって、つま先立ちで体を上下する カーフレイズ(ふくらはぎの運動)や、ふくらはぎのマッサージをするとよい。

マッサージは、片足につき2分ほど、アキレス健からひざ裏まで、押し上げるように気持ちのよい軽さで行なう。

デスクワークの間に、こうしたふくらはぎのケアや深呼吸を行なうと、血流がよくなり、体も頭もスッキリする。

同時に週1、2度、会社を早く帰れる日にのんびりとひと駅歩くなどウォーキングを始めてみる。

すべては「習慣化」することで、初めて健康につながるのである。