ギャップはあって当たり前!

あなたは最近人をよく褒めていますか。

 

あるテレビ番組の街頭インタビューで「最近人をよく褒めている」と答えた人は九二%でした。

これだけたくさんの人が褒めているのであれば、当然褒められている人も多いだろうと思うのですが、同じインタビューで「最近人から褒められた」と感じている人は七%でした。

 

「さらに「子どもをよく褒めている」と感じる親は一○○%であるのに対し、「褒められていると感じている子ども」は二七%。

夫婦間で褒めている、褒められているという一致度は一○%にすぎませんでした。

 

こうして見ると、褒めていると思っているのは自分だけなのかもしれません。

職場の上司と部下の間にも、コミュニケーションについて認識のズレがあります。

 

ある雑誌のアンケート調査で、「部下との間で人間関係が悪化したことがない」、または「一度くらいならある」と答えた上司は六○%いました。

一方、部下は「上司との人間関係が何度も悪化したことがある」、「数回はある」と答えた人が七〇%。

上司は「部下とうまくいっている」と思っているのですが、部下はそうは思っていないということです。

 

それをそのまま放置すると職場でイライラを生む原因になります。

イライラや怒りを生む土壌が形成されていくといってもいいでしょう。

このギャップを埋める努力をする必要があります。

 

上司と部下の意思の疎通をしっかり話し合いましょう

上司は会社からどんなことを求められ、期待されているかを部下に話し、共通理解を

得ることです。自分がどんな立場にいるのかをわかってもらうだけでも、部下との距離は縮まります。

上司が部下に何を求めているのか、何を期待しているのかをきちんと説明します。

会社から上司が求められていることがあって、それを果たすために、上司はこんなことを部下に期待している、というきちんとした流れに沿うことが重要なのです。

最後に、部下が上司にどんなことを望んでいるか、期待しているかを聞いて、共通理解をすることも大切です。

 

最近の部下が望んでいること若者がすんでいることも昔といまとでは大きく変わりました

財団法人日本青少年研究所の「高校生の意欲に関する調査」(二〇〇七年)によると、暮らしていける収入があるなら、のんびり暮らしていきたいか」という問いに対し、イエスと答えた若者は、中国が一七・八%、韓国が二・六%、アメリカが一三・八%、日本が四・九%でした。

調査から5年が経過していますから、アンケートに答えた人たちは社会人になっています。

価値観の変化がないと仮定すれば、一○人に四人の若手社員が、「暮らしていける収人があれは、のんびりと暮らしていく」ことを望んでいることになります。

上司の世代から見ると、価値観があまりに違うので、それだけで「こいつらには何を言ってもダメ」と思ってしまう人もいるようです。

 

「ワンピース世代」「ガンダム世代」を例にとってみましょう

『ワンピース』は少年ジャンプに連載されている超ヒットコミックスです。

六〇巻発売と同時に前人未到の累計発行部数二億冊に到達し、翻訳版が三〇カ国以上で販売されています。

ストーリーを簡単に説明すると、かつて、世界ではじめてグランドライン(偉大なる航路)を制覇した海賊王ゴール・D・ロジャーが、「この世のすべて」と言ったワンピース(ひとつなぎの大秘宝)をグランドラインに置いてきたことから、ワンピースを求めて世界は大海賊時代に突入しました。

ワンピースを手にした者は海賊王の称号とともに、この世のすべてを手にできると言われています。

そして、主人公モンキー・D・ルフィがワンピースを求めて、仲間とともにグランドラインを航海する物語です。

一方の『機動戦士ガンダム』は一九七九年から放送されたアニメです。

宇宙や地球の激戦地帯を転戦しながら、さまざまな人々との出会いや戦い、そして別れを経て悩み傷つきながらも成長していく、主人公のアムロたち少年少女の姿を描いた物語です。

初回放送時の視聴率は伸び悩みましたが、放送が終了すると再放送の嘆願書が多数寄せられ、こうして再放送、再々放送が重ねられ、世間へ浸透していきました。

再放送では平均視聴率も一○%を超え、一九八二年における再放送では名古屋地区で二五・七%(最高視聴率二九・一%)を記録しました。その後、映画化、シリーズ化もされ現在にいたっています。

 

「自由と仲間が重要な、『ワンピース』世代(二○代)、理不尽な組織から逃げられない、『機動戦士ガンダム』世代(四〇代)」と定義されています。

 

現在の職場では、四〇代の「ガンダム世代」が二〇代の「ワンピース世代」を指導育成するという構図ができています。

いま指導者側にいるこの四〇過ぎの方々に話をうかがっていると「最近入社してきた新人たちは宇宙人のようだ」という話をあちらこちらで耳にします。

アムロがルフィを指導している場面を想像すると、あまりうまくいかなそうですが、これが職場でのイライラや怒りを生み出す元になっています。

思うに、「ガンダム世代」とは価値観の違いに気づいた世代です。

それ以前のウルトラマンや仮面ライダーでは、ヒーローは善であり、怪人・怪獣は悪でした。

その価値観は揺らぎのないものでした。

「ガンダム」では連邦にもジオンにもそれぞれの正義があることが描かれています。)

つまり価値観が多様であることが示されたのです。

それまでの勧善懲悪の世界とは大きく異なりますが、価値観の多様性は示されただけにとどまりました。

 

ですが、「ワンピース」では価値観は多様であることが前提になってストーリーが進んでいます。

「ムギワラの一味」というルフィの仲間たちですら、それぞれが違う目的をもちながら、チームを形成しています。

教える側である「ガンダム世代」が教わってきた教え方と、失われた年に育ってまた「ワンピース世代」の若者に教える「教え方」は明らかに違います。

要するに、自分が現場で教わってきた教え方と違う教え方か必要なのです。

そういう意味では、いまの四○歳以降の世代は指導に関する迷える子状態になり、イライラしたり、自信を失っている人も多いのです。