みなさんも、終電近い電車に乗った時など、何ともいえないニオイに、一瞬たじろいだことがあるでしょう。

酒、ニンニク、ニラ、その他のニオイが見事にブレンドされたこのニオイは、決して酒嫌いではない私自身、閉口させられてしまいます。

いや「閉鼻」したい思いになります。

普段の自分のことは棚に上げて、腹だたしくなってくるから不思議です。

こうした例のように、口臭というと、飲食したものが原因であると考えがちです。

確かに歯ぐきなどに食べカスがたまり、口の中の嫌気性細菌が付着·繁殖して分解、発酵することで悪臭を放つのは事実です。

また、歯肉の後退、金属冠や義歯の不適合で、不潔になりやすい場合にもいやな口臭は避けられません。

このような清浄不足による口臭や生理的口臭は、本人が注意して清潔に保つ努力をすることで防げます。

ただし、病的口臭となると話は別です。

そのままにせず、病院行ってできちんとした治療を受けることが必要です。

ここで、病 的口臭について、その代表的な例をあげてみましょう。

 

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口臭の原因①◆病気の症状から治療が必要

く口内炎症〉

歯槽膿漏、口内炎、歯肉炎などがある場合、膿のニオイや、崩壊した口腔内の皮組織に嫌気性菌が付着して、特殊な発酵臭を放つようになります。

扁桃腺炎や、慢性鼻炎、蓄膿症などの鼻やのどの疾患、気管支炎、気管支拡張症、肺結核などの呼吸器疾患のある場合にも、同様の原因で口臭に結びつく場合があります。

 

口臭の原因②◆病気の症状から治療が必要

〈胃腸疾患〉

口臭の原因の中で、歯槽膿漏と並んで多いのがこの胃腸疾患です。

悪臭を発する飲食物を摂取した場合、そのニオイ物質が消化過程で腸管から吸収され、血液の流れにのって、肺から悪臭ガスとして排泄されてにおうのですが、これは一過性のもので病的なものではありません。

胃炎、無酸症、胃拡張、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ガンなどがあると、どうしても消化不良を起こし、飲食物の停滞、異常発酵が起こり、悪臭食物を摂取した時と同じ経過をたどって口臭となります。

この場合は病的なものです。

現代はストレス過多時代といえます。ストレスが原因となって慢性胃炎や潰瘍を起こす人が増えています。

睡眠不足動物性脂肪やタンパク質の摂り過ぎ(美食)、過食、便秘等とともに、十分な注意が必要です。

腸の働きが悪かったり、腸内に疾患があったりすると、腸内の細菌バランスが崩れ、酵素分解が異常になって、悪臭物質を発生させます。

 

口臭の原因③◆病気の症状から治療が必要

〈肝機能低下〉

肝臓の機能が低下することは、同時に代謝機能が低下することを意味し、カビくさいニオイがすることがあります。

常な肝臓なら、口臭の原因になる中間代謝物のアセトン、メルカプタンは分解されてしまいます。

 

口臭の原因④◆病気の症状から治療が必要

〈腎機能低下〉

腎機能が低下すると、アンモニア臭い口臭がします。

血中の尿素量が増加して、肺や口腔に分泌され、細菌の作用によってアンモニアが生成するためです。

 

口臭の原因⑤◆病気の症状から治療が必要

〈糖尿病〉

糖尿病もまた、代謝機能の低下や組織活性化の低下を招き、甘酸っぱいニオイがすることがあります。

また唾液が減少するため、嫌気性菌が増殖して口臭の原因になります。

以上、口臭の原因となる病的症状について述べてきましたが、各臓器、器官の疾患が、結果的に口臭を導き出していることがわかります。

逆にいえば、それらの疾病を治せば、口臭も治るということです。