記憶力が劣ってきたら、頭にしっかり書き込む「記憶のメモ術」を活用する訳について

人と会話をしている時、思い出せない事って中高年になるほど多くなってきているものです。

一度、覚えたことを忘れず、すぐ思い出せる脳であればいいののですが、なかなか引き出せないことも日常茶飯事なことです。

こんなにも記憶の容量を持っているのに、どうして私たちは映画の主人公の名前を忘れたり、大事な会議の日時を忘れたりするのでしょうか。

パソコンでは、画面上のゴミ箱にデータを入れて、さらにゴミ箱をからにしてしまうと、データは完全に消去されてしまいます。

逆にいえば、ゴミ箱をからにしないかぎり、データはパソコン上のどこかに存在しているということです。

しかし、ヒトの脳には「ゴミ箱」などというものは存在しません。

それなのに、捨てたつもりのないデータ(記憶) がなくなってしまいます。

いわゆる「もの忘れ」「ど忘れ」です。

そして、この「もの忘れ」は「年とともにひどくなる」ともいわれます。

人はなぜ、年をとるとともに忘れやすくなり、同時に覚えられなくなるのでしょうか。

その前に、記憶のメカニズムを思い出しながら、「もの忘れ」のしくみについて見てみることにしましょう。

 

脳に記憶するために必要なこと

視覚や聴覚などの感覚器官から入ってきた情報や、頭の中で考えた情報は、脳の海馬を通って記憶となります。

情報といっても、それは言葉や映像のように形あるものではなく、ある種の刺激として脳の神経細胞は受け取ります。

ただ、短期記憶として固定される前に、余計な刺激が加わると、情報は記憶されにくく(忘れやすく)なります。

余計な刺激とは、突然の電話や来客、テレビの音など、外部からの刺激の場合もありますし、「どうせ覚えられない」とか「早く終わらせて遊びに行きたい」などといった雑念も余計な刺激といえます。

「ながら勉強」や「いやいや覚えたこと」が頭に入らないのは、科学的な根拠があるのです。

そして、短期記憶として固定されても、すべてが長期記憶に変わるわけではありません。

長期記憶としてしっかり固定されるためには、記憶の回路を繰り返し使う必要があります。

繰り返し使うというのは、繰り返し思い出すということです。

 

記憶に関わるシナプスの量を増やすのがポイント

同じ記憶を何度も思い出していると、その記憶に関わるシナプスの量が増え、一本一本のシナプスも大きく太くなっていきます。

こうして、記憶の回路の流れが強固になっていくわけです。

しかし、あまり思い出さない記憶に関しては、信号の流れがだんだん暖味になり、やがて回路には信号が流れなくなってしまいます。

つまり、忘れてしまうのです。

学生時代に苦労して覚えた数式や化学式、英単語のつづりや歴史の年号などは、卒業してしばらくするとほとんど忘れてしまいます。

実際に使うことも、思い出すこともなかった記憶は、強固な長期記憶にはなれなかったということです。

当時、あれほど必死に勉強して、「覚えたつもり」になっていた記憶でさえ、「使わなければ忘れる」ものなのです。

大切な情報は一度聞いて覚えたつもりになるのではなく、メモに書くなどして、繰り返しその記憶の回路を使うことで、「もの忘れ」を防ぐことができます。