集中して体を動かし、頭の中を空っぽにする

もし心が、よけいな雑念にとらわれて乱れそうになったときには、「集中して体を動かす」ことをするとよいのです。

一つのことに集中して体を動かすことは、無念無想の境地、動じない心を作り出すために、とても効果があります。

 

ある和菓子職人が、こんな話をしていました。

お菓子に使うアンコを完成させるために、火にかけたアンコを練る作業に集中しているときには、「心の中が、まったく無の状態になっている。お店の経営に関わる心配事や、店員との人間関係など、よけいなことは一切頭に浮かんでくることはない」。

煮上げた豆を潰して、砂糖を混ぜ、その後、弱火にかけて、長い時間をかけて練っていかなければ、アンコは完成しません。

火にかけているときには、木ベらでひたすらアンを練り続けなければならないのです。

そのまま放置しておけば、アンコはすぐに焦げついてしまいます。

また、目でアンコの状態を確かめ、鼻でアンコのにおいの変化、耳でアンコの煮える音の変化を注意深く観察していなければなりません。

このように五感を一つのことに集中させ、体を動かすことによって、心によけいな雑念が入り込む余地をなくしてしまうのです。

よけいな雑念が思い浮かび、心が乱れそうになったときには、集中して体を動かしてみましょう。

 

営業の仕事などで、職場にいるときであれば、お客さんのところへあいさつ回りに出かけていってもいいでしょう。

「集中して歩く」という行為が、頭の中を空っぽにしてくれます。

顧客開拓のため、営業の電話をかけまくるのも効果的でしょう。

「集中して話す」という行為が、頭の中を空っぽにしてくれます。

じっとして、考え事ばかりしていると、雑念で心を乱されやすくなります。

集中して体を動かす習慣を作ることが大切です。