家庭における劇的な変化を知ろう

50代を中心とする年代は、仕事上の身分や境遇に大きな変化が訪れる時期であり、それは、まさに劇的な変化である。

同時に、この年代は私生活、家庭においても、それに優るとも劣らない「一大転換期」を迎える。

 

人によって結婚や子どもの誕生の時期は異なるが、仮に父親が30歳の時に子どもが生まれていれば、この年代(父・50歳)に子どもは20歳、つまり成人を迎えている計算になる。

もっとも最近は、モラトリアム人間などといわれ、いつまで経っても親元を離れないパラサイト人間もいるようだ。

が、これまでの社会通念からすれば、父親が50代の頃に娘は結婚を考える時期にあり、実際にこの時期(50代)に花嫁の父になる人は、今でも多いものと思われる。

息子の場合は、30歳ぐらいでオミコシをあげようか、という若者も多く、結婚の時期は年々遅くなる傾向にある。

だから、オヤジがこの年では、まだ世帯をもつことは少ないだろうが、子どもにとって親は「うるさい存在」「経済的スポンサーとして以外に、あまり期待されない存在」になっていく時期である。

 

「子どもの教育は女房任せ」であった会社人間のオヤジが、この頃になって急に「こっちを向け」「オレのいうことを聞け」とい っても、ムダな抵抗であることは、本人(オヤジ)にもよく分かっているが、何となく「さびしい気分」になることは、避けられないところだ。

それでなくても体力、気力の衰えを感じ始め、「年々老いていく自分」を思う年頃なのだ。

いずれにしても、子どもたちは自立・巣立ちの年代を迎えている。

後は、妻とどう対話し、どう仲よく過ごすかが大切なのである。

だから、ここで長年妻を放ったらかしにしておいた夫は、ハタと行き詰まることになる。

 

それは、外でビジネスマンとして羽振りがいいかどうかということとは、まったく関係がない。

いや、むしろ羽振りのよかったエグゼクティブのほうが、家では手も足も出ない存在になりかねないのである。