遺品を整理整頓するのは喪が明けてからと一般的に言われています。
しかし、こうしたならわしにとらわれず、気持ちに区切りをつけるためにも、喪が明ける前でも遺品の片づけに着手するといいでしょう。
始める際は、「処分するもの」と「不明なもの」、そして「必ず遺しておくもの」と3つに分けて整理をすればスムーズに片付けが進みます。
遺品の整理をすることで、知らなかった故人の一面に触れる楽しみもあります。
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遺品が沢山ありすぎて、どこから手をつけたらよいかわかりません
故人が残したものはすべて「遺品」だから、これを処分するのは、故人をないがしろにするような気がしてためらうという方がいます。
しかし遺品は3つに分けて考えることができます。
1つ目は、「遺すもの」通帳や相続関連書類などの手続きが必要なものと、故人の愛用品や日記などメモリアルになるもの。
次に「処分するもの」衣類や下着類などの身の回りの生活用品。
最後は「不明なもの」これについては、時間かけられるのであれば、故人の思い出とともに少しずつ処分していくの がいいでしょう。
どうしても判断がつかない場合は、遺品整理のプロに任せるのも一つの方法です。
故人の遺品は3つにわけます
◆遺すもの
【実務的遺品】
○通帳・株券・その他相続税関係書類・領収書類など
【心情的遺品】
○故人の愛用品・日記・手帳・その他メモリアルになるもの。
※宝飾類や骨董などで価値の高いものは相続の対象の対象になる場合がある
◆処分するもの
○不用品・衣類・生活雑貨・その他
◆不明なもの
○高価な衣類(サイズや流行のあるもの)
○メガネや靴など
○家具類の大型のもの
○日用品・蔵書・文具などで愛用品だったのか判別つかないもの
遺品の中で捨ててはいけないものはあります
通帳や株券・その他相続に関する書類などは、必ず保管しておかなければなりません。
それに加え、高価(時価8万円以上と推定される)な宝飾類や骨董などの価値が高いものも相続税の対象となるケースがあるので、保存が必要です。
支払いの証明となる領収書は、個人名義の書き換えや更新の手続きで必要になります。
過去1年間に支払った代金の領収書も必要になる場合があるので、きちんと整理整頓して保管しておくようにしましょう。
日記、手帳、手紙類なども、後日必要になってくるケースがあるので、1年位を目安として保管しておくとよいでしょう。
また、故人が使っていた携帯電話やパソコンなども、データ中身を確認し、必要なものは、データを別に保存しておくか、そのまま処分せずにとっておくといいでしょう。
携帯電話については、解約してしまっても、電源さえ入れば住所録や写真データが消えてしまうことがないので、すぐに処分せず
にひとまず取っておくことです。
形見分けとしてとっておくもの「は、故人の遺志を尊重し家族でよく話し合い遺すものを決めるようにしましょう。
形見分けを差し上げる場合は、受け取る方の了解を事前に得ておくことが大切です。
高価なものを(時価8万円以上)形見分けとして贈る場合、贈与税がかかることがあり、受け取った方に迷惑をかけてしまうことになるので、注意が必要です。
形見分けで注意することは?
① ふさわしい人に事前にお願いしておく
故人の遺志により受け取って欲しい人がいる場合は、受け取っていただけるかの確認を事前にする。
② 贈る時はきちんと手入れをする
形見分けの品は、贈る前に手入れをして、あまりに古くて使えないものなどは差し控えるようにしょう。
③ 申し出があった時は親族に相談する
形見分けの打診があった場合は、贈っても差し控えがないかどうか親族の承諾が必要となります。
④ 高価なものは贈与税の確認をしましょう
60万円以上の品や骨董品や美術品などの高価なものは贈与税の対象となるので注意が必要です。
父の遺品を父の兄へ贈ってもいいのでしょうか?
相続以外で、故人や遺族の気持ちからご縁のあるふさわしい方にさし上げるのが「形見分け」。
形見分けは、忌明け後(1日以降)に行うことがならわしとなります。
一番に故人の遺志を尊重します。
故人に明確な遺志がない場合は、趣味の道具などを故人と共通の趣味をもつ友人に許可を得てからさし上げるのもいいでしょう。
逆に形見分けの申し出があった場合は、贈っても差し支えないかどうか喪主や遺族に確認してみましょう。
「家族葬」だったので、故人が生前親しかった方々をお招きしたいのですが
最近多いのが、「家族葬」など を近親者のみで行い、四十九日忌法要を済ませた後、落ち着いたタイミングで「偲ぶ会」を開催するというものです。
開催には、明確な決まりはなく、一般的にはホテルや葬儀会館などで会食をしながら、故人を偲ぶ形が多いようです。
中には、故人の趣味にあわせ、カラオケ大会の開催、バンド演奏、ダンス披露という趣向を凝らしたものになる場合もあります。
服装も喪服にこだわらず、故人の好きだった色を身につけるなどの演出をすることもあります。